2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13490001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
迫田 和彰 北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (90250513)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川俣 純 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (40214689)
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Keywords | フォトニック結晶 / 誘電体多層膜 / 誘導放出 / 非線形光学 / 量子光学 / シミュレーション / 超放射 / スクイージング |
Research Abstract |
2次元スラブ型フォトニック結晶,ならびに,誘電体多層膜から成る1次元フォトニック結晶の特性解析と試料設計のためのシミュレーションソフトを,FDTD(時間領域差分)法,平面波展開法,ならびに,転送行列法を用いて開発した。これにより,試料設計の重要なポイントである電磁モードの分散関係,群速度,Q値,透過率,光増幅係数の精密な理論解析が可能となった。このシミュレーションソフトによる試料設計に基づいて,金属酸化物を母体とし,発光体として希土類酸化物を含む誘電体多層膜試料を試作した。また,可視〜近赤外領域で機能する2次元スラブ型フォトニック結晶を設計した。他方,発光体を含む誘電体多層膜試料に期待される,新しい量子光学現象を理論解析によって見い出した。すなわち,誘電体多層膜の1次元的なフォトニックバンドギャップ端に発光帯をもつ原子では,光の超放射のエネルギーの一部が原子の近傍に留まってコヒーレントな巨大分極を形成する。また,電磁場との相互作用によるラビ分裂に伴って発光帯の一部が周波数シフトし,試料外部に取り出すことができる。これを観測することによって,間接的にではあるが超放射光の局在現象が実証できる。従来から知られているフォトニック結晶中の電磁波の局在現象は,誘電体構造の局所的乱れに起因する古典的現象である。これに対して,今回発見した超放射光の局在現象は原子と電磁場の共鳴的相互作用に基づく量子論的局在であり,これを実証することはフォトニック結晶の量子光学の基礎を固める上で大変重要である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] E. Miyai: "Quality factor for localized defect modes in a photonic crystal slab upon a low-index dielectric substrate"Optics Letters. 26・10. 740-742 (2001)
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[Publications] H. Kitahara: "Terahertz wave dispersion in two-dimensional photonic crystals"Physical Review B. 64. 045202-1-045202-7 (2001)
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[Publications] T. Ochiai: "Nearly free-photon approximation for two-dimensional photonic crystal slabs"Physical Review B. 64. 045108-1-045108-11 (2001)
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[Publications] K. Sakoda: "Photonic bands of metallic systems I : Principle of calculation and accuracy"Physical Review B. 64. 045116-1-045116-8 (2001)
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[Publications] T. Ito: "Photonic bands of metallic systems II : Features of surface plasmon polaritons"Physical Review B. 64. 045117-1-045117-8 (2001)
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[Publications] K. Sakoda: "Optical Properties of Photonic Crystals"Springer Verlag. 223 (2001)