2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13554008
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Research Institution | The High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
幅 淳二 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (60180923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須山 本比呂 浜松ホトニクス(株), 電子管事業本部, 研究員
田中 真伸 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (00222117)
作田 誠 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (40178596)
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Keywords | シングルフォトン / 電子打ち込み / HPD / APD / フォトンカウンティング |
Research Abstract |
前年度のAPD構造の検討から、いわゆる逆リーチスルー構造が本開発のような電子打ち込み型の検出器にとって公的であることがわかってきた。今年度はこの構造を持つ8x8=64のセグメントを持つ2次元APDアレイを製造しその特性を評価するとともに、満足のいくものについては実際にフォトカソードを持つ電子管の中へ実装して性能評価した。 ブレイクダウンまでに30倍以上ゲインが確認され、時間特性も信号立ち上がり2ナノ秒が得られた。またピクセル間のデッド領域も10ミクロン以下と良好であった。このAPDを通常のマルチアルカリフォトカソード光電面を持つ、近接型電子管に実装し、HPD(ハイブリッドフォトディテクタ)するに当たり、信号の取り出しを可能とするために積層セラミックによるステムを新たに開発した。試作された電子管について量子効率の測定を行い400nm以下の波長で20%を超えることが確認された。さらにゲインとし電子打ち込みから1300、APDのアバランシェより17、総合で2x10^4以上のゲインが測定された。 フォトンカウンティング性能についての評価は、シングルフォトンに対するパルス波高分布の幅として評価されるが、これが電子打ち込み電圧およびAPD電圧に対してきわめて鋭敏に反応することが見出された。高い打ち込み電圧は、APDの電子入射面にある不感層の影響を小さくする効果を持ち、一方APD電圧は適度な増幅率の飽和をもたらし出力の高いほうへの揺らぎを抑制していると考察される。9kVの打ち込み電圧と382VのAPD電圧の組み合わせでは、10%以下のレゾリューションが得られ、5光電子程度までのカウンティングが分解能が確認された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] R.Abe, J.Haba, M.Tanaka 他: "Status of the Belle SVD detector"Nuclear Instrumentation and Methods A. 478. 296-298 (2002)
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[Publications] S.Mori, J.Haba, M.Tanaka 他: "The Belle Detector"Nuclear Instrumentation and Methods A. 479. 117-232 (2002)