2003 Fiscal Year Annual Research Report
ナノスケールMnSbドット、Auドットの磁気・電子構造の解明と応用可能性の検討
Project/Area Number |
13554012
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
小野 寛太 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助教授 (70282572)
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Keywords | ナノスケール / 金属ドット / 閃亜鉛鉱型 / 分子線エピタキシ / 有機金属化学 |
Research Abstract |
ナノスケールの金属ドットはその作製過程によりバルクとは異なる特異な結晶構造を持つことがある。また、磁性・電気伝導などの物性はバルクとは異なり、ナノスケール物質特有の性質を示す。我々の研究では、分子線エピタキシ(MBE)によりナノスケールMnAsドットが閃亜鉛鉱型の結晶構造を示すことを初めて明らかにした。閃亜鉛鉱型の結晶構造のMnAsは、フェルミ準位で100%のスピン偏極度を持つハーフメタルとなりうることが第一原理計算により予想されていたが、通常の作製方法では閃亜鉛鉱型にならない。我々は、硫黄で終端化したGaAs表面に分子線エピタキシを用いてMnAsを成長することにより、閃亜鉛鉱型のナノスケールMnAsドットを作製することが出来ることを明らかにした。今回得られたナノスケールMnAsドットがハーフメタルであるかどうかは確認できていないが、ハーフメタルであれば、スピン注入デバイスなどのスピントロニクスデバイスについて最適の電極材料となりうる。 また、その他にも有機金属化学の手法を用いてMnPtドットを作製することに成功した。有機金属化学の手法を取り入れることにより、ナノスケールの金属ドットを、簡便にサイズをコントロールして作製することが出来る。また、ナノスケールにすることにより新機能発現の可能性があるのではないかと考えて研究を行った。その結果、バルクでは反強磁性を示すMhPtが、ナノスケールのドットにすることにより強磁性を発現することを明らかにした。
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[Publications] K.Ono et al.: "Synthesis of Ferromagnetic Mn-Pt Nanoparticles from Organometallic Precursors"Journal of Physical Chemistry B. 107. 1941-1942 (2003)
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[Publications] J.Okabayashi, K.Ono et al.: "X-ray absorption Spectroscopy of transition-metal doped diluted magnetic semiconductors ZnMO"Journal of Applied Physics. 95. 3573-3575 (2004)