2003 Fiscal Year Annual Research Report
多重アンビル型変形実験装置の開発と上部マントルのレオロジー
Project/Area Number |
13554013
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Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
桂 智男 岡山大学, 固体地球研究センター, 助教授 (40260666)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米田 明 岡山大学, 固体地球研究センター, 助教授 (10262841)
伊藤 英司 岡山大学, 固体地球研究センター, 教授 (00033259)
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Keywords | 圧力発生 / 高圧 / レオロジー / マントル遷移層 / リングウッダイト / 熱膨張率 / ワズレアイト |
Research Abstract |
1 大容量超高圧発生装置の圧力発生技術の開発を行った。これまで、DIA型と呼ばれる大容量超高圧発生装置では、ガラスエポキシ板に潤滑油を吹き付けることによりスライディング面の潤滑をとっていた。しかし、この方法ではスライディング面の摩擦が大きく、スティックスリップが起き、それがブローアウトを引き起こしていた。今回我々はスライディング面に2枚のカプトン箔を置き、カプトン箔とスライディング面の間に2硫化モリブデンを塗ることにより、すべりをより滑らかにした。それによりブローアウトの発生がとまったことに加え、試料に荷重をより効果的にかけることができるようになった。それにより、これまで超硬アンビルで29GPaが限界であった発生圧力が、34GPaまで引き上げられた。 2 高圧レオロジーの研究の一環として、マントル遷移層下部の主要構成鉱物であるリングウッダイトの高圧下での熱膨張率測定を行った。これまでリングウッダイトの熱膨張率測定の温度範囲は1300Kまでであったが、今回の研究により温度範囲を2000Kまで拡大した。測定温度範囲を大きく拡大することにより、熱膨張率は100Kあたり5.5%増加することが明らかになった。また、測定圧力範囲を24GPaまで拡大することにより、熱膨張率の圧力依存性も決定することが出来た。それによると、高圧下での熱膨張率は体積の圧縮の6.9乗に比例して減少する。 3 同様に、マントル遷移層上部の主要構成鉱物であるワズレアイトの熱膨張率測定を圧力16GPa温度範囲300-1500Kで行った。この条件では、ワズレアイトの熱膨張率1.4×10^<-5>+1.2×10^<-8>×(T-300)/Kとあらわせ、リングウッダイトより20%大きいことが明らかになった。
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[Publications] Yoshino, T.: "Core formation triggered by grain boundary percolation"Nature. 422. 154-157 (2003)
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[Publications] Yoshiasa, A.: "Detailed structures of hexagonal diamond(lonsdaleite)and wurtzite type BN"Jpn J.Appl.Phys.. 42. 1694-1704 (2003)
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[Publications] Sinogeikin, S.V.: "Single-crystal elasticity of ringwoodite to high pressures and high temperatures : implications for 520 km seismic discontinuity"Phys.Earth Planet.Int.. 136. 41-66 (2003)
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[Publications] Aizawa, Y.: "Temperature derivatives of elastic moduli of MgSiO3 perovskite"Geophys.Res.Lett.. 31. L01602 (2004)
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[Publications] Mayama, N.: "Temperature dependence of elastic moduli of-(Mg,Fe)2SiO4"Geophys.Res.Lett.. 31. L04612 (2004)
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[Publications] Katsura, T.: "A large-volume high PT apparatus for in situ X-ray observation'SPEED-mkII'"Phys.Earth Planet.Int.. (in press). (2004)