2001 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界流体を用いる超強酸触媒芳香族求電子置換反応の効率化と多様化
Project/Area Number |
13554023
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大和田 智彦 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (20177025)
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Keywords | 超強酸 / 芳香族求電子反応 / 超臨界流体 / 二酸化炭素 / Pictet-Spengler反応 / 立体選択 |
Research Abstract |
芳香族化合物創製の基盤反応である芳香族求電子反応において(1)反応の高効率化(2)反応の応用性の拡大(芳香族化合物の置換基の制約の解除)(3)新規芳香族置換基直接導入反応(新規な求電子試薬の開発)を本研究課題では目的とする.本研究課題では上記の3つの目的を超臨界流体を反応溶媒として用いる均一系酸触媒反応系の開発によって反応の高効率化を達成し、科学量論的反応、さらには触媒的反応を可能にすることによって解決ための基礎的な知見を得る。本年度は(1)の目的を超臨界流体を反応溶媒として用いる均一系酸触媒反応系の開発に着手した.通常用いられるステンレス耐圧容器の耐酸性を確認した.反応の均一性と反応効率の関係を圧力、メデイア密度等の流体パラメーターによって最適化するを試みたが、現在用いている液体超強ブレンステッド酸のミストが超臨界流体装置のシールドを破壊することが分かり、本研究課題に「新たな固体超強酸の開発」の研究を行う必要が出できた.市販のNafionなどの固体超強酸の酸触媒効率はほとんど見られない.原因の一つに用いている二酸化炭素の純度があり、水の混入の可能性が高い。なお,本研究費は申請額を大きく下回ったため超臨界流体装置の購入は出来ず,反応を外部に依頼している点も本研究にとって不都合である.また本年度の(2)の目的として超強酸触媒のPictet-Spengler反応の環化の立体化学を調査し,超強酸条件にのみ見られる立体高選択性を見いだしつつある.
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