2003 Fiscal Year Annual Research Report
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13555008
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Research Institution | Kanagawa Academy of Science and Technology |
Principal Investigator |
石橋 孝章 (財)神奈川科学技術アカデミー, 極限表面反応プロジェクト, 研究員 (70232337)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高松 信彦 エクセルテクノロジー(株), グループ長(研究職)
山方 啓 (財)神奈川科学技術アカデミー, 極限表面反応プロジェクト, 研究員 (60321915)
大西 洋 (財)神奈川科学技術アカデミー, 極限表面反応プロジェクト, 研究員 (20213803)
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Keywords | 表面和周波発生 / マルチプレックスSFG / ブロードバンド赤外レーザー / 電子共鳴 |
Research Abstract |
可視赤外表面和周波分光法(SFG)は、表面吸着種の振動スペクトルを得るための非線形分光法である。SFG過程は、二次の非線形感受率に基づく非線形光学過程であるため、表面・界面の振動スペクトルを選択的に測定できるという、他の分光法に無い特徴を持つ。本研究の目的は、このような特徴を持つSFG分光法を表面上の電子励起種などの短寿命種の有効なプローブへと発展させることにある。 平成15年度は、平成14年度までに作成した装置を用いた電子共鳴条件下でのSFG測定と光ポンプSFGプローブの測定を試みた。その際、SFG測定に適した秩序のある分子単分子膜の作製方法を開発した。 (1)組成と原子レベル構造を規定したルチル型二酸化チタン(110)単結晶表面上に分子量の大きい色素などの分子の膜を生成する手法を開発した。作製法は、超高真空中で作製した(110)表面をかさ高い置換基をもったカルボン酸イオン(ピバル酸イオン)を吸着させて保護した後に、大気中に取り出し所望の分子(カルボン酸を有するもの)の溶液中に浸漬することによった。 (2)作製した試料(分子としては、レチノイック酸とフルオロセインを使用)のSFGスペクトルを電子共鳴条件下で測定することで、秩序性の評価を行った。その結果、ピバル酸イオンで保護することが、秩序性の向上にとって有効であることを確認した。 (2)(1)の手法で作製したレチノイック酸膜に関して、400nmポンプSFGプローブ(可視光波長は480nm)の実験を行った。しかし、ポンプ光によって生成した過渡種のSFG信号は検出できなかった。この原因の一つとして、SFGプローブの波長が適切でなかった可能性があげられる。溶液の過渡吸収のデータによらず、薄膜試料自身の過渡吸収測定による適切なプローブ波長の設定が今後の課題であると考えられる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 石橋孝章, 大西洋: "マルチプレックス赤外可視和周波発生分光法とその有機単分子膜への応用"真空. (印刷中).
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[Publications] Ishibashi, Ara, Tada, Onishi: "Molecular conformation of n-alkyl monolayers covalently bonded to Si(III) probed by infrared-visible sum-frequency spectroscopy"Chemical Physics Letters. 367. 376-381 (2003)
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[Publications] Ishibashi, Onishi: "A multiplex infrared-visible sum-frequency spectrometer with wavelength tunability of the visible probe"Applied Physics Letters. 81. 1338-1340 (2002)
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[Publications] Yamakata, Ishibashi, Onishi: "可視プローブ波長可変性を持つマルチプレックス赤外可視和周波発生分光装置の開発"表面科学. 23. 468-474 (2002)
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[Publications] Ishibashi, Onishi: "Multiplex infrared-visible sum-frequency spectrometer with a phase conjugated pulse mixing device for narrow-bandwidth visible probe generation"Applied Spectroscopy. 56. 1298-1302 (2002)
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[Publications] Fujiyoshi, Ishibashi, Onishi: "Time-domain Raman Measurement of Molecular Submonolayers by Time-resolved Reflection Spectroscopy"Journal of Physical Chemistry B. 108. 1525-1528 (2004)