2002 Fiscal Year Annual Research Report
高強度テラヘルツ電磁波を利用した環境ホルモン物質高感度小型検出システムの開発
Project/Area Number |
13555015
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
猿倉 信彦 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (40260202)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西澤 誠治 日本分光株式会社, 新技術開発室, 室長(研究職)
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Keywords | テラヘルツ電磁波 / 内分泌攪乱物質 / フーリエ分光 |
Research Abstract |
近年、人類の生活を豊かにしてきた人工化学物質のうち、生態系にホルモンとして作用するもの(内分泌撹乱物質)があると判明し、環境ホルモン問題として日常生活に大きな問題を引き起こしている。環境ホルモン問題は地球規模の環境問題であり、従来の地域的な公害問題とは本質的に異なるもので、その対策が急務とされている。また環境中の存在濃度の測定は汚染状況を把握する手段として重要視されており、簡便かつ高感度な測定手法が求められている。 このような状況の中、我々はテラヘルツ電磁波を用いて内分泌撹乱物質を検出・同定するシステムの開発を行った。まず、我々がこれまで開発してきたテラヘルツ電磁波光源を小型化するため、8つの永久磁石による磁気回路を用いた改良型超小型強磁界発生装置および超短パルスモード同期ファイバーレーザーを用いた高強度テラヘルツ電磁波発生源を完成させた。これにより、光源のサイズはA4サイズ程度にまで小さくなり簡便性は飛躍的に向上した。つぎに、このシステムを用いての検出システムの実証実験として、実際の内分泌撹乱物質の取扱いは非常に危険を伴うため、毒性の少ない疑似内分泌撹乱物質(ナフタリンなど)のテラヘルツ電磁波の周波数帯における吸収スペクトルを測定した。疑似内分泌撹乱物質の検出実験では、結晶石英製の窓材を用いた薄層セル中に封入した試料に上記高強度テラヘルツ電磁波発生源からのテラヘルツ電磁波を照射する。その透過成分を偏光マイケルソン干渉計で分光して、液体ヘリウム冷却式のボロメータにより検出した。 この実験により、高強度テラヘルツ電磁波を用いた内分泌撹乱物質の検出が可能であることを実証した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] H.Ohtake, Y.Suzuki, S.Ono, N.Sarukura, T.Hiroxumi, T.Okada: "Simultaneous Measurement of Thickness and Water Content of Thin BlackInk Films For the Printing Using THz Radeation"Japanese journal of Applied Physics. 41. L475-L477 (2002)
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[Publications] H.Ohtake, H.Murakami, T.Yano, S.Ono, N.Sarukura, H.Takahashi, Y.Suzuki, G.Nishijima, K.Watanabe: "Anomalous power and spectrum dependence of terahertz radiation from femtosecond-laser-irradiated indium arsenide in high magnetic fields up to 14 T"Applied Physics Letters. 82. 1164-1166 (2003)
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[Publications] H.Takahashi, Y.Suzuki, M.Sakai, S.Ono, N.Sarukura, T.Sugiura, T.Hirosumi, M.Yoshida: "Significant enhancement of terahertz radiation from In Sb by use of a compact fiber laser and an external magnetic field"Applied Physics Letters. (in press). (2003)