2003 Fiscal Year Annual Research Report
界面制御した共役系有機薄膜による指向性発光素子の創成
Project/Area Number |
13555020
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
上田 裕清 神戸大学, 工学部, 教授 (40116190)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤松 謙祐 甲南大学, 理工学部, 講師 (60322202)
八瀬 清志 独立行政法人産業技術総合研究所, 光技術研究部門, 副部門長(研究職)
成相 裕之 神戸大学, 自然科学研究科, 助教授 (60116233)
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Keywords | 界面制御有機薄膜 / 摩擦転写膜 / 一次元配向制御 / ピラジン誘導体 / スピロピラン薄膜 / 偏光特性 / フォトクロミズム / 会合体形成 |
Research Abstract |
有機/無機あるいは有機/有機界面で高度に分子配列制御した共役系有機薄膜を作成し、その配向構造と吸収および発光特性について検討した。また、メロシアニンやスピロピランなどの機能生色素の超薄膜の作成とフォトクロミック特性や自己組織化による会合体形成について検討した。界面制御された無機基板としてアルカリハライド単結晶劈開面およびITO配向膜を用いた。アルカリハライド単結晶上に蒸着したメロシアニン誘導体は配向成長すると共にJ会合体を形成すること、ITO配向膜上でポルフィリン分子は高度に二次元成長した単結晶膜を形成することを見いだした。一方、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)摩擦転写膜をスペーサーとすることで高度に配向制御された有機/有機二層構造を有する機能性有機薄膜が作成できることを見いだした。例えばピラジン誘導体の配向膜は吸収および発光の著しい異方性を有することを示すとともに膜中の分子配向と偏光光学特性との関連を明らかにした。また,従来経時安定性や繰り返し安定性に問題が指摘されていたフォトクロミック分子に低屈折率でガス透過度の小さいコーティング剤として知られるSiOによる蒸着封止を行うことにより経時安定性に優れたナノメートル厚のフォトクロミック薄膜の作成に成功した。さらにフォトクロミック分子のうちスピロピラン蒸着膜の光異性化反応は、紫外光照射時の温度に依存すること、即ち、膜を40℃に保ち紫外光照射を行うことによりメロシアニン型を経て、自己組織的にJ-会合体を形成することを見いだした。また、蒸着膜作製時に紫外光を照射することで直接J-会合体が形成されるという新たな手法も提案した。これらの色素薄膜は指向性発光素子はもとより光記録や非線形光学材料への応用が可能で新たな機能発現に有用な知見を得た。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Tomo Sakanoue: "Fabrication of well-ordered indium-tin-oxide film and characterization of organic films vacuum-deposited on it"Mol.Cryst.Liq.Cryst.. 405. 59-66 (2003)
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[Publications] Hiroki Kihara: "Fabrication of orientation-controlled merocyanine J-aggregates from vapor phase"Mol.Cryst.Liq.Cryst.. 407. 81-88 (2003)
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[Publications] Takao Saito: "Preparation and optical properties of uniaxially oriented dihydrodipyrazinopyrazine thin film"Mol.Cryst.Liq.Cryst.. 407. 157-165 (2003)
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[Publications] M.Chikamatsu: "Photoresponsive organic electroluminescent devices"Journal of Photochemistry and Photobiology A : Chemistry. 158. 215-218 (2003)
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[Publications] W.Takashima: "Photocarrier transports related to the morphology of regioregular poly(3-hexylthiophene) films"Thin Solid Films. 393. 334-342 (2003)
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[Publications] Z.Ji: "Controlling the orientation of phthalocyanine molecules by heat treatment in magnetic field"Progress in Organic Coatings. 49. 180-182 (2004)
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[Publications] 技術情報協会編集: "薄膜作製プロセスにおける成膜条件の最適化 第10章第2節 分子配列制御有機薄膜の大面積化 p.249-257を担当"技術情報協会. 400 (2003)