2003 Fiscal Year Annual Research Report
飛行時間法による構造用材料の高精度中性子残留応力測定システムの開発
Project/Area Number |
13555024
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
秋庭 義明 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (00212431)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森井 幸生 日本原子力研究所, 先端基礎研究センター, 研究員
神山 崇 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究, 助教授 (60194982)
田中 啓介 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (80026244)
木村 英彦 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (60345923)
林 眞琴 (株)日立製作所, 機械研究所, 研究員
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Keywords | 残留応力 / 中性子 / 相応力 / 飛行時間法 / 角度分散法 / 回折弾性定数 |
Research Abstract |
(1)アルミニウム合金単体材料と炭化ケイ素粒子強化アルミニウム合金複合材料を用いて,塑性変形領域までの荷重負荷を行い,塑性変形領域を含めての,最適回折面を検討した.アルミニウム合金単体では,回折ピーク強度が300カウント以上の回折面では,単結晶の弾性定数からクレーナーモデルによって予測した値と良く一致することを明らかにした.すなわち,高精度なひずみ測定には,回折強度が300カウント以上必要であることがわかった.ついで,複合材料について炭化ケイ素相およびアルミニウム相それぞれの複数の格子ひずみと負荷応力関係をシングルピーク解析によって検討した.この場合にも回折強度が300カウント以上では,マイクロメカニックスモデルによる予測結果と良く一致することがわかった. (2)形状記憶合金であるTiNi合金を用いて,オーステナイト相からマルテンサイト相への変態挙動を,負荷応力との関連において検討した.負荷過程における材料の相変態挙動の測定を可能とすることから,中性子回折法の適用範囲を広げた. (3)炭素鋼の焼き入れ丸棒材を用いて,残留応力評価を行った.格子面間隔が0.05から0.2nmまでの範囲内全ての回折情報をもとにリートベルト解析から得られる格子定数は,焼入れ前の値に比較して,焼入れ材では大きくなることがわかった.また,焼入れ材では,セメンタイトの回折がなくなり,残留オーステナイトの回折が観察された.丸棒の表面には圧縮の残留応力が発生し,内部になるに従って引張応力となった.この結果は有限要素法による解析結果と良く一致した. (4)ニッケル板およびステンレス板をそれぞれ炭化タングステンを10%含有するニッケル板ではさんで接合した積層材料の残留応力について検討した.ステンレス鋼の回折線幅は,単体の場合よりも大きくなることがわかった.このとき,ステンレス鋼には半径方向および周方向に弱い引張残留応力が認められた.中央がニッケルの場合にも同様に,ニッケル相の回折線幅は,単体に比較して大きくなっており,ひずみが不均一になっていることがわかった.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yoshiaki Akiniwa: "Phase stress measurement in SiCp/2024 under axial loading by TOF"Proceedings of Advanced Technology in Experimental Mechanics 2003. GSW0403-GSW0403 (2003)
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[Publications] Keisuke Tanaka: "Diffraction measurement of residual micro and macro stresses"Proceedings of Advanced Technology in Experimental Mechanics 2003. PL3W0400-PL3W0400 (2003)
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[Publications] Hidehiko Kimura: "Fatigue crack propagation and stress-induced martensitic transformation behavior in TiNi"Proceedings of Advanced Technology in Experimental Mechanics 2003. GSW0439-GSW0439 (2003)
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[Publications] Yukio Morii: "Residual stress measurement of the quenching material by the neutron diffraction"Proceedings of Advanced Technology in Experimental Mechanics 2003. OS04W0258-OS04W0258 (2003)
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[Publications] Takashi Kamiyama: "Neutron diffraction study of thermal residual strain in three layered materials made by self-propagating high temperature synthesis"Materials Science Research International. 9. 81-86 (2003)
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[Publications] Takashi Kamiyama: "Neutron diffraction study of residual stress in the induction hardened S45C round bar"Proceedings of Advanced Technology in Experimental Mechanics 2003. OS04W0182-OS04W0182 (2003)