気体カー効果による電界計測システムの試作

2002 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 13555078
• Research Institution: The University of Tokyo
• Principal Investigator: 日高 邦彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90181099)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 松岡 成居 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (10114646) ; 千葉 政邦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (20011140)
• Keywords: 気体 / カー効果(Kerr効果) / 電界 / 測定 / 非接触 / 電気光学効果 / 位相変調器 / 空気

Research Abstract

本研究では気体自身の電気光学効果(カー効果)を利用し、従来の測定手法では不可能であった、空間電荷が存在する場における気体の電界分布を、被測定対象に一切の擾乱を与えることなく定量的に正確に測定できる非接触電界分布計測システムの完成を目的としている。気体カー効果による電界計測システムは、投光部(レーザ、偏光子、位相変調器)、多重反射ミラーユニット、受光部(O/E変換器、信号増幅器)、高電圧印加部(電極、被測定気体、高圧電源)、測定部収納容器、から構成される。
本年度は、昨年度作成した電界計測可能な測定システムを使用して、実際に大気圧空気中の交流電界の測定を行った。
具体的には、まず平行平板ギャップを用いての交流平等電界測定を行い、大気圧空気のカー定数を確定し、また10kV/cm程度の気体の電界測定が可能であることを明らかにした。
次に棒平板ギャップによる交流不平等電界の測定を行った。棒の直径を1cm,2cm,3cmとして状態の違う不平等電界を測定し、その電界変化の様子を調べることに成功した。さらに位相ごとの電界の変化を見ることによって、不平等電界の時間的変化を見ることに成功した。そのとき、コロナ放電が電界の様子が変化することを発見した。
またカー効果を用いた応用例の一つとしてがいし表面の電界測定を行った。コロナ放電で電界の様子が変化することを利用して、表面が汚損された状態などで電界に異常が起こったとき、それをカー効果で判別することに成功した。

Research Products

• [Publications] 岩田, 熊田, 尾崎, 日高: "気体カー効果による電界測定"電気学会放電・誘電絶縁材料・高電圧合同研究会資料. ED-02-17 DEI-02-25 HV-02-17. 1-6 (2002)
• [Publications] 岩田, 熊田, 仁田, 日高: "大気圧空気のカー効果を用いた電界測定"電気学会全国大会講演論文集. 1-241. 1 (2002)
• [Publications] 岩田, 熊田, 日高: "Kerr効果利用による大気圧空気中の電界測定"電気学会基礎材料共通部門大会講演論文集. VIII-09. 1 (2002)
• [Publications] Iwata, Kumada, Hidaka: "Electric Field Measurement by Kerr Effect in Gases"2002 Joint Conference of ACED \& K-J Symposium ED and HVE. D-402. 1-4 (2002)
• [Publications] 岩田, 熊田, 田重田, 日高: "Kerr効果を用いた大気圧空気中の不平等電界測定"電気学会全国大会講演論文集. 1-197. 1 (2003)