2001 Fiscal Year Annual Research Report
環境調和型の電力用ハイブリッド限流遮断システムの試作研究
Project/Area Number |
13555080
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松村 年郎 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (90126904)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 洋隆 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (40314033)
横水 康伸 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (50230652)
|
Keywords | SF6ガス / 環境 / 遮断器 / 限流 / アーク / 超伝導 |
Research Abstract |
環境調和型ハイブリッド限流遮断システムの試作に先立ち、本年度(1年目)は、各種環境低負荷型ガスの遮断性能を器壁安定化アークモデルを用いて比較評価し、SF6ガスに替わる消弧媒体ガスを探索した。また、空心リアクトルを用いた磁束拘束型限流器の動作特性およびビスマス系高温超電導バルクの通電特性を調査した。その結果、次のことを明らかにした。 1.各種ガスの自然消滅特性を評価した。HeガスおよびH2ガスは静止ガス中でも速い消弧特性を示すが、Air、N2、O2、Ar、CO2、SF6およびH2ガスは静止ガス中でも早い消弧特性を示すが、Air、N2、O2、Ar、CO2、SF6およびC4F8の各ガスは静止ガス中ではHeやH2より緩やかな消弧特性を示す。 2.ガス流の効果を調べたところ、SF6、C4F8、O2およびCO2においてその効果が大きい。また、ガス流の効果は比熱に対するエンタルピーの比が数千ケルビン以下の低温領域で大きなガスほど大きい。 3.交流電流零点直後の熱的破壊領域における電流遮断限界は、0.4MPa、ガス吹き付け量の100リットル/分の条件では、He、H2が最も高く、ついでSF6、C4F8、O2であり、CO2、N2、Arの順であった。なお、CO2に関しては、ガス流をより高くすれば、遮断限界はO2並になることは予想される。 4.これまで提案してきた鉄心型磁束拘束型限流器の改良版として、空心型を検討した。空心にした場合、磁束拘束用のコイルと磁界印加用とを共通に利用でき、構造の簡素化が可能である。 5.ビスマス系高温超電導バルクの交流通電損失を評価し、配電系統の送電損失に対して無視できる程度であることを確認した。また、熱的ストレスと超電導復帰特性とを明らかにし、磁束流抵抗を利用する限流方式を提案した。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 松村 年郎: "環境調和型ガスを用いたハイブリッド電力用遮断器の提案"平成14年電気学会全国大会論文集. 6. 163 (2002)
-
[Publications] 伊藤一将: "環境保全型ガス流安定化アークの残留電流"平成14年電気学会全国大会論文集. 6. 162 (2002)
-
[Publications] Evenson Calixte: "Reduction Effect of Fault Current Limiter on Interrupting Condition of a Circuit breaker"平成14年電気学会全国大会論文集. 6. 164 (2002)
-
[Publications] 木村 彰宏: "磁界印加機能付き空心2巻線型磁束拘束型限流器の限流動作特性に及ぼす故障発生位相角の影響"平成14年電気学会全国大会論文集. 5. 13 (2002)
-
[Publications] 清水 洋隆: "磁束流抵抗型限流器における超伝導素子の必要体積に及ぼす素子特性の影響"平成14年電気学会全国大会論文集. 5. 12 (2002)
-
[Publications] 野田 岳志: "交流縦磁界が印加されたBi2223高温超伝導バルクの交流臨界電流"平成14年電気学会全国大会論文集. 5. 25 (2002)