2001 Fiscal Year Annual Research Report
導電性高分子のソフトアクチュエータによる医療機器の開発
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13555095
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
金藤 敬一 九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 教授 (70124766)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬和 信吾 (株)イーメックス, 代表取締役(研究員)
高嶋 授 九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 助手 (10226772)
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Keywords | 導電性高分子 / 電解変形 / アニオン駆動 / カチオン駆動 / 両面駆動型アクチュエータ / アクティブリング |
Research Abstract |
導電性高分子ポリピロールの電気化学的酸化還元反応過程におけるフイルム伸縮挙動について、調査検討を行った。ポリピロールフィルムの電気化学反応過程では、その電気伝導度は酸化・還元両状態共に比較的高い電気伝導性を有することが判明した。こうした高い電気伝導性は繰り返し印加される電気化学的酸化還元反応後においても保持され、電気化学的活性はプロトン濃度が比較的低いph5の領域においても保持されることが判った。以上の結果は、ポリピロールが中性電解液中においても電解反応を示し、酸化・還元両状態で単電極として振る舞い且つ膜内での電気化学反応性能が高く、電気化学アクチュエータとして極めて有用な材料であることを意味する。ポリピロール自立フィルムの電解伸縮挙動をポリピロール自立膜は、電気化学的重合法により作成される。得られたフィルムの電解伸縮挙動は電解重合時に使用する支持電解質により、その伸縮特性が大きく変化することが判った。以上の結果、ポリピロールフィルムは、作成法によりアニオン駆動型とカチオン駆動型の2種類のフィルムを作成可能であることが判明した。この二つのタイプの駆動型フイルムを組み合わせることで、新たなタイプのアクチュエータ両面駆動型アクチュエータ)の構築が可能となった。 より生体デバイスの実用的応用を鑑み、リング部位を導電性高分子アクチュエータで構成したアクチュエータ(アクティブリング)の試作を行った。印加電位のサイクルにある程度同期したリングの変形が見られたものの、その変形は一方向的であり、再現的な変形を発現させる事が困難であった。そこで、先に示した新規なアクチュエータ構造を導入したアクティブリングを試作したところリング変形の可逆性能は大きく向上し、印加電圧に比較的追従したリング変形が観測された。ここに試作されたアクティブリングは生体デバイスの一部品とみなすことが可能で、より立体的な構造の導入により、蠕動運動等を示すチューブやポンプ等への具体的デバイス展開をより明確に示すことができた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Y.Sonoda, W.Takashima, K.Kaneto: "Characteristics of soft actuators based on polypyrrole films"Synthetic Metals. 119. 267-268 (2001)
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[Publications] M.Kaneko, K.Kaneto: "Deformation of poly(o-methoxyaniline) Film Induced by polymer Conformation on Electrochemical Oxidatio"Polymer Journal. 33. 104-107 (2001)
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[Publications] M.Fuchiwaki, W.Takashima, K.Kaneto: "Comparative Study of Electrochemo-mechanical Deformations of poly(3-alkylthiophene)s, Polyanilines and Polypyrrole"Japanese Journal of Applied Physics. 40. 7110-7116 (2001)
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[Publications] 渕脇正樹, 金藤敬一: "導電性高分子、ポリチオフェンによるソフトアクチュエータ"電子情報通信学会技術研究報告. OME2001-35. 1-6 (2001)
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[Publications] Keiichi Kaneto: "The Handbook of Polymers in Electronics"RAPRA Technology LTD. 16 (2002)