2001 Fiscal Year Annual Research Report
顕微干渉縞の画像追尾によるマイクロ物体の三次元挙動測定装置の開発に関する研究
Project/Area Number |
13555116
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
三矢 保永 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (10200065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳澤 雅広 日本電気, 機能デバイス研究所, 主管研究員
大島 康司 名古屋大学, 工学研究科, 講師 (60293651)
福澤 健二 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (60324448)
伊藤 淳 東芝デジタルメディアネットワーク社, 光磁気ストレージ開発センター, 研究グループ長
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Keywords | マイケルソン干渉 / 顕微干渉 / 多層膜干渉 / 干渉縞画像計測 / ヘッド浮上姿勢計測 / 画像処理 |
Research Abstract |
マイケルソン顕微干渉位相差法を用いた微小物体の挙動測定において,測定精度を支配する重要な要因としては,不均一な光強度分布が干渉縞に重畳して干渉縞の擬似的な位相シフトが生じること,2本の縞をCCD画面内に配置するために空間分解能が制限されることなどである.これらの要因を除去して,精度を向上する方法を優先させることとして,以下の三つの方策についてその有効性を確認した.a)擬似的な位相シフトを抑圧するために,干渉縞の尾根線が画面上の所定のウンドゥ内に存在するときのみ画像を採取する.b)干渉縞を1本として,つぎの縞がこれに完全に重畳するまで参照面をピエゾアクチュエータで精密駆動して縞間隔と画素間隔を同定する.c)画像を縦長として尾根線検出領域を拡大する.a)により再現性が大幅に向上した.また,b)は超精密なピエゾアクチュエータにより実現できたものであり,これにより原理的には空間分解能制限が解消された.ピエゾの1波長送りの精度は波長の数%程度であり,nm精度の再現性を確認した.つぎに,以上の方策をガラス透過の浮動ヘッドの3次元姿勢の測定に適用して,その有効性を検討した.スライダ表面における反射が,ガラス+空気+DLC+シリコン+アルチックという多層膜であることから,多層膜反射における位相回転を定式化して,シミュレーションにより,シリコン膜の厚さが大きく寄与することを明らかにした.さらに,ガラス面に対するDLC面の位置,ピッチ角,ロール角の3次元測定を行った.測定結果はシミュレーションによる予測結果とよく一致しており,大幅な精度・再現性の向上を確認した.今後は,現在製作中のリニク型顕微鏡を使用して,倍率の向上をはかるとともに,レーザ光源を白色光源に代えて,一層のノイズの低減を進め,ナノメートルの分解能の実現を目指す.
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