2001 Fiscal Year Annual Research Report
土地利用・交通・環境の総合計画分析のためのGIS統合・支援統計パッケージの開発
Project/Area Number |
13555142
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宮本 和明 東北大学, 東北アジア研究センター, 教授 (90150284)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堤 盛人 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (70292886)
大伴 真吾 朝日航洋株式会社, 空間情報事業本部・システム開発部・ATOM開発課, 課長(研究職)
北詰 恵一 東北大学, 東北アジア研究センター, 助手 (50282033)
杉本 直 群馬大学, 工学部, 助手 (30322019)
|
Keywords | 地理情報システム / 土地利用モデル / 空間データ補間 / 配車配送計画問題 / 空間分布適合度指標 |
Research Abstract |
生活の質を高める都市計画の実現にむけて,土地利用・交通・環境の相互連関を考慮し,生活環境への影響を評価するには,個々の主体や小地域を対象とするミクロ地理データを取り扱うモデルシステムが望ましい.そのようなシステムとして地理情報システムをプラットホームとするモデルシステムの開発研究が求められており,本研究では,このうちデータ管理・入出力システム等に重点を置くこととした. 本年度は,汎用システム化のための課題として,空間データの補間問題を採り上げた.地理的重み付き回帰分析における分散不均一性と空間統計学の確率的手法であるKriging法においてコバリオグラムと呼ばれる距離関数によって共分散を定義できる性質を共に有する,より汎用性の高い手法を提案した.この手法を,札幌市都市計画基礎調査の2種類のゾーン区分に適用したところ,より精度の高い空間データ補間が可能になることを確認した. また,SFI指標と呼ぶ空間分布適合度指標を提案した.これは,空間的に分布している残差を打ち消しあうように輸送して,最適輸送問題の解として定義するものである.これを仙台市における実際のデータに適用し,通常の最小二乗法から得られるものより,適切な空間分布の適合状況を得られることを確認した. また,空間問題の個別応用パッケージの一例として,高齢者に対するバス巡回スケジュール決定支援システムを開発し,実際の例に適用した.この際,幅員や一方通行などの道路情報,希望サービス内容や乗車・待機可能時間などの利用者個人情報,車椅子数の上限やバス乗車店員などの施設制約情報などを加味したより汎用性の高いシステムとした.この結果,パソコンを用いても,5〜20分程度の実用的な時間でバス巡回スケジュール問題を解くことができ,実際に行われている巡回ルートよりも短縮された巡回ルートを提示することができた.
|