2001 Fiscal Year Annual Research Report
日本人の健康リスク変動解析と環境弱者同定を支援する評価システムの構築
Project/Area Number |
13555150
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森澤 眞輔 京都大学, 工学研究科, 教授 (50026340)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 亜紀 京都大学, 工学研究科, 助手 (10335200)
米田 稔 京都大学, 工学研究科, 助教授 (40182852)
|
Keywords | 健康リスク評価 / 評価モデル / 環境弱者 / 内部曝露 / 外部曝露 / 放射性フォールアウト / Sr-90 / 発癌モデル |
Research Abstract |
環境微量汚染物質による平均的な日本人の健康リスクレベルは10^<-6>を十分に下回るレベルにある。そのようなリスクは国民全体に確率平均的に発現するのではなく、いわゆる「環境弱者」に集中的に出現すると考えられる。本研究では既存の関連モニタリング情報と数学モデルとを組み合わせ、日本における生態学的な「環境弱者」の実態を健康リスク評価の視点から定量的に明らかにする。 環境中での検出感度が優れ環境モニタリングデータが豊富な放射性フォールアウト核種等に注目し、これらの物質が自然環境から人に運ばれるプロセスを経て人体に曝露される量(外部曝露量)評価と、体内に摂取されたこれらの物質が標的臓器・組織に移行する量(内部曝露量)を評価し、発癌等の健康リスクをもたらすとする評価の基本枠組みを設定した。特に、食品摂取に伴う放射性Sr-90の日本人に対する外部曝露量の変動特性を、収集した経口曝露量実測値と評価モデルによるモンテカルロ・シミュレーション値の両者から検討し、例えば、99%値が平均曝露量の数倍に達し得ることなどを明らかにした。併せて、食習慣や摂取カロリーの年齢や性別による変動を評価するための情報を収集した。 内部曝露量を得て癌の誘発リスク等、内的諸条件によるリスクの変動を評価するために、数理発癌モデルを援用することの妥当性について検討した。特に、2段階発癌モデルに注目し、広島・長崎における原爆被災者の疫学データに照らして、数理発癌モデルを試みに適用し、細胞の変異率等のパラメータ値を同定した。
|