2002 Fiscal Year Annual Research Report
設計点探索と載荷実験とを結合した実証的構造性能評価システムの開発
Project/Area Number |
13555154
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大井 謙一 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (90126003)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋脇 與助 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (40092233)
|
Keywords | 多層骨組 / 設計点探索 / コンピュータ制御載荷実験 / 崩壊メカニズム / 限界状態設計 / 適応載荷 |
Research Abstract |
数値応答解析と載荷実験とを結合させたオンライン応答実験手法を拡張し、近似信頼性解析における設計点探索解析とコンピュータ制御載荷実験とを結合させることにより不確定外力を受ける試験構造物に対する適応載荷実験システムを開発した。本実験システムにより塑性崩壊機構形成を対象とした設計点探索実験を行い、また設計点探索実験と同一仕様の試験体に実地震波とインパルス波を入力し、オンライン地震応答実験を行い、設計点探索結果との比較を試みた。本実験システムは限界状態関数の構成ならびに関数値は実挙動から評価される。骨組の崩壊機構形成を限界状態とし、ランダムな水平力に対する設計点探索実験をおこない、1次モード成分が卓越するケースでは、骨組の崩壊形に依らず卓越する1次モード成分に基づいた荷重状況で崩壊機構形が形成されることを確認した。また他の振動モード成分(2次モード成分)が比較的卓越するケースでは、崩壊機構形成後、部材の塑性化に伴う歪み硬化の影響によって崩壊形が変化し、他の振動モード成分を寄与させた水平荷重分布形に修正し、複数の振動モード成分を複合した荷重状況で崩壊機構が形成されることを確認した。 等価静的な耐震性能評価手法において比例載荷による静的増分解析手法があるが本システムは実構造物の挙動をリアルタイムで監視しながら、生じようとしている崩壊機構形に応じて荷重分布形を最も不利な形に修正して実験を行うことが可能であることを確認した。同一仕様の試験体に実地震波とインパルス波を入力し、全モードを考慮したオンライン地震応答実験を行い、地震応答中の荷重の軌跡は、設計点探索実験で仮定された不確定荷重モデルとある程度対応しており、応答中に生じた崩壊機構形も概ね設計点探索実験と類似していることを確認した。
|
-
[Publications] 伊藤 拓海, 大井 謙一, 森 洋一: "骨組構造物の崩壊機構に関するハイブリッド設計点探索"日本建築学会構造系論文集. No.566. (2003)
-
[Publications] C.Oktem, K.Ohi, Y.Mori, Z.Lan, T.Ito, P.Fang: "Hybrid Design Point Search on Failure Mechanism Formation of 2-Story Frame Under Equvalent-Static"第11回日本地震工学シンポジウム. 1501-1504 (2002)
-
[Publications] 藍 兆松, 大井謙一, 森洋一, 方 沛宇: "2層鉄骨架構の地震時崩壊機構形成に関する実験的研究 その1 オンライン地震応答実験と設計点探索実験"日本建築学会大会学術講演梗概集、構造. 831-832 (2002)
-
[Publications] 方 沛宇, 大井 謙一, 森 洋一: "FORMを用いたハイブリッド設計点探索による鋼構造2層骨組の性能評価"日本建築学会関東支部研究報告集. 357-360 (2002)