2002 Fiscal Year Annual Research Report
ミリセカンド時間分解型水素吸蔵・放出反応原子直視装置の開発
Project/Area Number |
13555172
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田中 信夫 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 教授 (40126876)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 順 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 助手 (40335071)
渡辺 弘紀 デンソー(株), 基礎研究所・研究部, 研究員
室岡 義栄 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (40273263)
|
Keywords | 時間分解型観察 / TEM / 水素吸蔵 / ミリセカンド / 原子直視 |
Research Abstract |
本研究では、(1)高分解能電子顕微鏡の試料室に分子状または原子状の水素を導入したときの水素化反応を原子1個のレベルでかつミリセカンドの時間分解能で原子直視しイメージングする装置を開発し、(2)各種の水素吸蔵実用材料の吸蔵・放出特性を決める基本物性を解明することを目的とした。具体的研究項目は次の(1)、(2)、(3)で、平成13年度からの第2年度目の研究である。 (1)超高分解能電子顕微鏡の試料室に分子状または原子状の水素を導入したときの水素化反応を原子1個のレベルでかつミリセカンドの時間分解能で直接観察しイメージングする装置を実用化する。 (2)各種の水素吸蔵材料の局所領域(~nmサイズ)に加熱などをおこさせる方法の実用化(例:レーザーによる局所微加熱、ピエゾ素子による局所応力、電子線、イオン線による局所粒子線励起など)。これは微少電子線によるナノ加工やナノ合成に関連して今後重要になる技術である。 (3)(1)で得られたミリセカンドの時間分解能をもつ材料の動的変化の原子直視データを一連のイメージングデータとして整理し解析するコンピューター手法の開発。 平成14年度は、(1)実験で得られたミリセカンドの時間分解能をもつ原子直視の観察データを一連のイメージングデータとして整理・解析する手法を開発した。この総合化の試みは、金属学会の学会誌「まてりあ」に発表し、そのうち水素吸蔵・放出の直接観察に関わる成果は雑誌「金属」に発表し、我が国の関連学会にも情報発信を行った。また(2)Zr-Ni-V系、Mg-Ni-Nd系実用水素吸蔵材料の吸蔵前と吸蔵後の微細構造組織の解明にTEMと電子回折を用いてとりくみ、その結果はJ.Alloys & CompoundsとTrans JIMの専門誌に発表し、またオーストリアでの水素吸蔵合金に関する国際会議にも共同研究者によって発表された。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 田中信夫: "ナノ結晶の水素化反応の高分解能その場電子顕微鏡観察"金属. 72・7. 632-636 (2002)
-
[Publications] K.Tanaka, M.Sowa, Y.Kita, T.Kubota, N.Tanaka: "Hydrogen storage properties of amorphous at nano crystalline Zr-Ni-V alloys"J. Alloys at Compounds. 330・8. 732-737 (2002)
-
[Publications] J.Yin, K.Tanaka, N.Tanaka: "Hydrogen-storage properties at structure characterization of melt-spun and annealed Mg-Ni-Nd alloy"Mater. Trans JIM. 43・3. 417-420 (2002)
-
[Publications] 平山司, 幾原雄一, 田中信夫: "透過電子顕微鏡によるその場計測技術と超高分解能観察"まてりあ. 41・9. 598-603 (2002)