2001 Fiscal Year Annual Research Report
リン酸塩ガラスを用いたチタン合金人工骨材料の表面改質技術の開発
Project/Area Number |
13555173
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
春日 敏宏 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (30233729)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新家 光雄 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (50126942)
早川 知克 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (00293746)
野上 正行 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (90198573)
服部 友一 愛知医科大学, 医学部, 助手 (40172936)
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Keywords | リン酸塩ガラス / 骨類似アパタイト / ガラス / 結晶化ガラス / 生体活性 / 擬似体液 / チタン合金 / 高強度 |
Research Abstract |
本年度はとくに、表面改質に用いるリン酸塩ガラスの組成について検討した。リン酸カルシウム系を中心に組成を検討し、生体活性、機械的性質、結晶化傾向などについて調査した。生体活性は、37℃の擬似体液に浸漬して表面に骨類似アパタイトが生成するか否かで判断した。60CaO-30P_2O_5-10TiO_2(mol%)ガラスを擬似体液に浸漬すると約10日後から表面にアパタイトが生成した。しかし、55CaO-35P_2O_5-10TiO_2ガラスや50CaO-40P_2O_5-10TiO_2ガラスではアパタイトは生成しなかった。ガラスからの擬似体液へのイオンの溶出量や生成したアパタイトとガラスの界面付近の観察等の結果から、擬似体液浸漬後にガラス表面に生成するリン酸塩ゲル相の性質がアパタイトの生成に大きな影響を及ぼすと考えられた。この結果から、60CaO-30P_2O_5-10TiO_2(mol%)ガラスが生体活性を示すと推測され、今後、このガラスの周辺組成で検討を進めた。 次に、チタン合金Ti-29Nb-13Ta-4.6Zrと容易に反応し、接合できる組成を検討したところ、少量のアルカリ成分の導入が有効であることがわかった。60CaO-30P_2O_5-3TiO_2-7Na_2Oガラスは上記チタン合金と800℃以上でよく反応した。とくにリン酸成分は、チタン合金表面に生成した酸化物層と反応し、拡散することが確認された。850℃で熱処理すると、リン酸成分のみが表面から数μmの深さまで進入し、偏析することが初めて見出された。来年度はこの興味深い反応についてさらにその機構を調べる予定である。 60CaO-30P_2O_5-3TiO_2-7Na_2Oガラス粉末の焼結結晶化により得られたセラミックスは高い曲げ強度を示した(曲げ160MPa)。擬似体液テストでも生体活性が期待されたので、家兎を用いた動物実験を開始したところである。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Toshihiro Kasuga: "Preparation of bioactive calcium phosphate glass-ceramics"Journal of Materials Science Letters. 20. 1249-1251 (2001)
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[Publications] Toshihiro Kasuga: "Biomimetic apatite formation of calcium phosphate invert glasses"Phosphorus Research Bulletin. 12. 39-44 (2001)
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[Publications] Toshihiro Kasuga: "Apatite formation of TiO_2 in simulated body fluid"Journal of Crystal Growth. 235. 235-240 (2002)