2002 Fiscal Year Annual Research Report
亜臨界・超臨界流体の溶媒循環システムの構築と装置化
Project/Area Number |
13555210
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 幸彦 日本分光(株), 超臨界研究グループ, SCFプロジェクトリーダー
KABYEMELA Bernard SR開発(株), 研究所, 主任研究員
猪股 宏 東北大学, 超臨界溶媒工学研究センター, 教授 (10168479)
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Keywords | 超臨界CO2 / 熱駆動溶媒循環 / 溶媒再生 / ポンプレス / 密度差 / 温度分布 |
Research Abstract |
本研究では二酸化炭素に着目し、超臨界CO_2溶媒をクローズドシステム中でポンプ等の加圧機器を使用することなく、温度分布に起因した蒸気圧差と密度差を駆動力として熱力学的に強制循環させる溶媒循環システムの構築を目的としている。本法は、高圧ソックスレー抽出に類似であるが、循環の過程で超臨界流体と液体との相変化エネルギーを蒸留機能として活用することによって、常にフレッシュな流体を被抽出物又は被洗浄物に接触させ、溶媒としての重要機能を引き出すとともに、環境保全の観点からは溶媒を系外に放出することなく、更に省資源と省エネルギー効果のある溶媒の循環・再利用する方法である。 本年度は,昨年度に製作した装置を用いて、操作条件である温度分布、圧力、仕込溶媒質量と流量(流速)との相関関係の把握を試みた。流量測定については、オリフィス型流量計、回転流量計などがあるが、高圧条件下かつ流動抵抗の小さなものはなかったため、本研究にて製作した。直接流量測定は困難と判断し、トレーサー計測による循環回路の循環時間測定から平均流速を算出した。トレーサー検出には、観測窓を介してのUV(紫外)吸収が簡便かつ高精度と考え、UV活性かつ高圧二酸化炭素と親和性の大きなアセトンを利用した。温度分布については、加熱部と冷却部の8点測定した。 本装置の溶媒循環の駆動力は温度差により生じた密度差であるが、最高温度と最低温度での密度差を一定にした平均流速の結果は一定ではなく、高圧ほど高い流速であることが判明した。この点について、詳細な温度分布を調べた結果、単純な最高最低温度ではなく、加熱部での温度分布が実効的密度差を誘起していることが示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Smith RL, 阿尻雅文, 新井邦夫: "Energy integration of methane's partial-oxidation in supercritical water and exergy analysis"APPL ENERG. 71. 205-214 (2002)
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[Publications] R.L.Smith Jr., R.M.Malaluan, W.B.Setianto, 猪股宏, 新井邦夫: "Separation of cashew (Anacardium occidentaleL.) nut shell liquid with supercritical carbon dioxide"Bioresource Technology. 88. 1-7 (2002)
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[Publications] Li LP, Li GS, Smith RL, 猪股宏: "Activation of oxide-ion conduction in KNbO3 by addition of Mg2+"APPL PHYS LETT. 81. 2899-2901 (2002)
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[Publications] Wang T, Smith RL, 猪股宏, 新井邦夫: "Reactive phase behavior of aluminum nitrate in high temperature and supercritical water"HYDROMETALLURGY. 65. 159-175 (2002)
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[Publications] Li GS, Smith RL, 猪股宏, 新井邦夫: "Preparation and magnetization of hematite nanocrystals with amorphous iron oxide layers by hydrothermal conditions"MATER RES BULL. 37. 949-955 (2002)
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[Publications] Smith RL, Lee SB, 鈴木幸雄, 斉藤千恵, 猪股宏, 新井邦夫: "Densities of carbon dioxide plus methanol mixtures at temperatures from 313.2 to 323.2 K and at pressures from 10 to 20 MPa"J CHEM ENG DATA. 47. 608-612 (2002)