2001 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロチップ内液液・固液界面有機合成反応とパイルアップ型化学生産システムの開発
Project/Area Number |
13555212
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
久本 秀明 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (00286642)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金 幸夫 東京大学, 工学部・附属総合試験所, 助教授 (40186367)
渡辺 訓行 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (20011116)
北森 武彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (60214821)
佐藤 記一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (50321906)
火原 彰秀 東京大学, 工学部・附属総合試験所, 助手 (30312995)
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Keywords | マイクロチップ / 有機合成 / 触媒反応 / パイルアップリアクター / マイクロリアクター / 高分子合成 |
Research Abstract |
本年度は,実用的に重要かつ液液界面を最大限に活用できる素反応として、以下の反応についてマイクロチップ内反応の効率を評価した。 (1):ファインケミカル合成に必要とされる素反応 流路系に原料有機相と原料水相を送液し、送液速度と反応収率の関係を評価した。ここではステップバイステップ合成で最も汎用される保護基の導入反応として、アミド化を検討した。その結果、マイクロチップ内では合成反応が進行し、収率が80〜90%に達するための、原料のチャネル内滞在時間は約3秒程度であることを明らかにした。これはマイクロチップ1枚・1分あたりのアミド化合物生産量が約3.2ミリグラムになることに相当し、10枚程度のマイクロチップを連続運転できれば年間生産量約17kgの化学生産システムを実現できることを意味する。これはファインケミカルの生産量としては十分な数字であり、今後はマイクロチップを多数枚重ねたパイルアップリアクターを実際に作製する。 (2):工業的高分子合成反応 工業的に有用な化成品原料合成法として、ポリアミド合成を検討した。マイクロ流路系に原料有機相と原料水相を送液し、原料溶液の送液速度と反応収率・分子量分布の関係を評価した。その結果、マイクロ流体を利用することによって、マクロスケールよりも分子量分布の狭い高分子成分を得られることがわかった。今後、その生成機構を明らかにするために、より系統的な基礎実験を進める。 また、本年度はマイクロチップ内液液界面有機合成反応へ適用可能なマイクロ流体制御技術を確立するために、有機相・水相の2層流において、有機相のみをセグメント状に導入し、水相に含まれる異種物質を別々の有機相に抽出する方法を考案した。この方法は、マイクロチップ内合成反応のモニタリングシステムとして極めて有用であり、アメリカ化学会誌のAnalytical Chemistry誌に報告した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] H.Hisamoto, et al.: "Fast and High Conversion Phase-Transfer Synthesis Exploiting Liquid/Liquid Interface Formed in Microchannel Chip"Chemical Communications. Issue24. 2662-2663 (2001)
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[Publications] H.Hisamoto, et al.: "On-Chip Integration of Sequential Ion Sensing System Based on Intermittent Reagent Pumping and Formation of Two-Layer Flow"Analytical Chemistry. 73. 5551-5556 (2001)