2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13555213
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
青木 俊樹 新潟大学, 工学部, 教授 (80212372)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橘 浩三 ダイセル化学工業, 筑波研究所, 開発班長(研究職)
金子 隆司 新潟大学, 工学部, 助手 (90272856)
田中 孝明 新潟大学, 工学部, 助教授 (00217043)
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Keywords | 光学異性体分離膜 / 製膜条件 / 透過条件 |
Research Abstract |
申請者らは多くの新規の一次構造の明確な光学活性高分子を精密合成し、これらの高分子単独よりなる膜を調製し、これによる種々のラセミ体の光学異性体分離を高い選択性で実現して来た。またこれらの光学異性体分離膜の選択性は膜中を拡散する際に初めて発現することが判明した。しかし、その原因となる構造の詳細については未解明な点が多い。 本研究ではこれらの分離膜の分子設計研究で得た成果の蓄積をもとに、これの実用化に向けて、より高次の膜構造、すなわち高分子の高次構造の最適化を行う。そのためにまず選択透過機構のより詳細な検討を行う。さらには製膜条件、透過条件の最適化の検討を行い、実用化への基礎的知見を得る。 本年度は下記の実験を行なった。 (1)膜素材高分子の大量合成 既に申請者らにより合成法と分離能の確認されている光学異性体分離膜素材高分子のうち性能が良いポリピナニルジメチルシリルフェニルアセチレンを大量合成した。 (2)透過実験 アミノ酸のうち、トリプトファンのエナンチオマーを用いた透過を行った。また透過温度を変えて透過実験を行った。さらに非対称膜を調製するなどして薄膜化を行なった。 その結果、次のような知見が得られた。 (1)ポリピナニルジメチルシリルフェニルアセチレンはスケールアップしても製膜性の良い高分子を与えた。また、非対称膜素材としても適切であった。 (2)非対称膜化、透過温度の変化などによって透過をある程度制御可能であることが分かった。 (3)膜の厚みの透過選択性への効果は小さく、この透過が拡散選択であることを支持していた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 青木俊樹: "光学分割膜-分子設計と分離機構-"化学工業. 52. 683-691 (2001)
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[Publications] Ken-ichi Shinohara: "Syntheses and enantioselective recognition of chiral poly(phenylene-ethynylene)s bearing bulky optically active menthyl groups"Polymer. 42. 351-355 (2001)
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[Publications] Ken-ichi Shinohara: "Main-chain helical chirality induced by polymerization of phenylactylene having chiral bulky pinanyl groups"J. Polym. Sci., Part A : Polym. Chem.. (発表予定). (2002)