2002 Fiscal Year Annual Research Report
高感度多成分同時測定用水晶振動子電極チップの開発と免疫測定への応用
Project/Area Number |
13555235
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
波戸崎 修 東京農工大学, 工学部, 助手 (40313291)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽場 紀幸 株式会社明電舎, 材料・デバイス研究部, 部長(研究職)
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Keywords | 水晶振動子電極 / 電気化学発光 / 多成分同時測定 / 微小センサー / 抗原抗体反応 / マルチチャンネルセンサー |
Research Abstract |
平成14年度に得られた結果について以下に要約する。 1.本研究で開発を目指している複数の微小振動子電極を1枚の水晶基板上に作製・配列したマルチチャンネル水晶振動子(MQCM)に基づく測定システムに対して、高感度の多成分同時測定を可能にするために、各微小振動子電極表面に個々の被検出物質に対する選択性の付与について検討を行った。特に、より簡便な手法として、個々の振動子電極表面に異なる有機膜を塗布する手法について検討を行った。4つの微小電極を1枚の水晶基板上に配列した4チャンネルMQCMの2つの振動子電極にそれぞれ異なる有機物質を塗布し、異なるガス成分の検出を試みた結果、それらの有機膜に対して異なる吸着性を有するガス成分(たとえば、ベンゼンと水分)の同時測定の可能性が示唆された。 2.より高感度の検出を可能にするために、電気化学発光をシステムの研究開発も行った。電気化学発光プローブとして、水溶液中でも高い発光効率を有するルテニウムビピリジル錯体(Ru(bpy)_3^<2+>)に着目し、その発光強度に及ぼす種々の要因について引き続き検討を行った。特に、発光補助物質としてトリプロピルアミンをはじめとする種々のアミン化合物存在下でルテニウム錯体の発光強度をのpH依存性を調べた。通常使用されるトリプロピルアミン存在下で観察された電気化学発光強度と比較して、トリアセチルアミン存在下では低pH側(pH=6-8)で、また、トリエチルアミンを用いた場合に高pH側(pH=10.4-11)で、より高い発光強度が得られることが見出された。また、トリエチルアミン存在下で、トリエチルアミン存在下で得られた発光強度は、トリプロピルアミン存在下で得られる強度よりも2倍程度高くなることも見出された。
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