2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13555249
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
細川 隆弘 高知工科大学, 工学部, 教授 (90029520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東島 道夫 三菱化学株式会社, 科学技術センター, シニア・リサーチアソシイエイト
小廣 克哉 高知工科大学, 工学部, 助教授 (60170370)
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Keywords | Pd-Cu複核錯体 / ジメチルウレア / X-線結晶解析 / アルデヒド |
Research Abstract |
環境との調和を目指す有機合成プロセスの一つとして、分子状酸素を温和な条件下で酸化剤として用いる手法の開発が要請される。Pd^<2+>/Cu^<2+>塩の組み合わせは酸素分子の活性化を引き起こす環境調和型触媒として広い用途を持つとの観点から、本研究では以下の目的を設定した。すなわち、銅原子上で分子状酸素を活性化させ、パラジウムに配位したアルケンにこの酸素分子を移行させる新手法を開発する。このために、既に開発したPd^<2+>と銅塩とヘキサホスホルアミドを自己組織化させPd-Cu複核錯体を合成する方法を、種々のアミド化合物に展開した。その結果、を用いると、Pd-Cu-ジメチルウレア複核錯体が容易に得られるを見出した。この処法は極めて簡単でしかも一般性のある。例えば、塩化メチレン溶媒中(2mL)でPdCl_2(MeCN)_2(0.5mmoll)とCuCl(0.5mmol)を酸素下で加熱(50℃)攪拌し、その後1,3-ジメチルウレアの塩化メチレン溶液を加え1.5時間攪拌する。溶媒の塩化メチレンをデカンテーションで除き、新たにメタノールと塩化メチレンを加え、静置するとPd-Cu-ジメチルウレア複核錯体が得られる。このものを、メタノール-塩化メチレン-エーテルの混合溶媒で再結晶すると単結晶が得られる。この錯体の構造はX-線解析により決定できた。末端アルケンの末端位酸化によるアルデヒド合成のこの錯体を適用した。Pd-Cu-ヘキサホスホルアミド複核錯体では、アリルアミド系アルケンは、非水条件下で対応するアルデヒドに変換されることが分かっている。しかし、上記の複核錯体を触媒に用いて、単純アルケンである1-デセンを酸素分子と反応させても、対応するアルデヒド体は得られなかった。このアルケンの末端位選択的酸化の問題に関しては、来年度以降に重点的に検討を加える予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Takahiro Hosokawa: "Activation of Molecular Oxygen Induced by Simple Polyphenols"Angew.Chem.Inter, Ed.. (発表予定).
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[Publications] Takahiro Hosokawa: "Intermolecular Oxypalladation-Dehydropalladation in "Handbook of Organopalladium Chemistry for Organic Synthesis""John Wiley & Son, New York(印刷中).