2003 Fiscal Year Annual Research Report
新根内エンドファイト利用による難防除土壌病害防除用生物農薬の開発
Project/Area Number |
13556007
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
羽柴 輝良 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (20189476)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成澤 才彦 茨城県生物工学研究所, 主任(研究職)
佐藤 茂 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (40108428)
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Keywords | 根内エンドファイト / ハクサイ根こぶ病防除 / 土壌条件 / 定着率 / 相利共生 |
Research Abstract |
ハクサイ根こぶ病防除の圃場試験データにより、本エンドファイトの最適利用のポイントをまとめると次の4点になる。 1)ハクサイ根こぶ病に対して、根内エンドファイトによる防除が効果を示すのは、対照区の発病指数が60以下の場合で、50前後で最も効果を示す。60を超える汚染度では、抵抗性や耐病性品種などとの組み合わせ利用が必要である。 2)本エンドファイトを処理することで、ハクサイにある程度の根こぶが形成されても、地上部の生育阻害への影響を軽減する効果がある。しかし、次作での汚染源の増加等を考慮すると、甚発生条件下での単独使用は避けた方が賢明である。 3)高水分の土壌条件は本エンドファイトの定着率減少につながり、防除効果を現象させる。そのため、育苗時には過灌水に注意する必要がある。さらに、定植後に、高水分の土壌条件を避けることができれば、最適な防除効果が発現される。 4)本エンドファイトは、畑土壌中での再感染は活発ではない。そのため、育苗時に高い感染率を維持することが、病害防除のポイントである。 本研究結果より、本エンドファイトは、条件が整うと、根細胞内に侵入し、宿主植物から炭素源を獲得し、土壌中の窒素、リン酸などを宿主に供給する相利共生関係にあることが判明し、現在本エンドファイトとアブラナ植物との間での物質交換などの詳細な実験を行い、共生メカニズム解明に関する研究を行っている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Narisawa, K.: "Control of Verticillium yellows in Chinese cabbage by the dark-septate endophytic fungus LtVB3"Phytopathology. (2004)
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[Publications] Narisawa, K.: "Effects of environmental conditions on the biological control of clubroot in Chinese cabbage by the root endophytic fungus Heteroconium chaetospira"Plant Disease. (2004)
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[Publications] 羽柴 輝良: "微生物農薬、微生物の取扱いと利用・応用技術"情報機構. 252 (2003)