2002 Fiscal Year Annual Research Report
漁獲から加工場に至る水産物のHACCP対応用海水殺菌装置の開発
Project/Area Number |
13556027
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉水 守 北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 教授 (40122915)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上西 敏夫 荏原製作所エンジニアリング, 事業本部, 部長
澤辺 智雄 北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 助教授 (30241376)
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Keywords | 電気分解 / 海水 / 電解水 / 生菌数 / 衛生管理 / 漁港 |
Research Abstract |
昨年度作成した海水電解装置に発電機、塩素測定器等を組み合わせた改良試作機を作成し、試験対象モデル地域として北海道標津漁港を選定した。標津漁港内の港内海水を本装置を用いて殺菌すると共に、サケ定置漁船の船倉および漁獲されたサケを収納する保冷タンクに電解海水を注入し、海水の殺菌効果と塩素の残留性を観察した。さらに、電解海水の保冷タンク、サケ選別台、保冷シート、船のデッキの殺菌効果も検討した。港内海水を電気分解し、有効塩素濃度を約1mg/Lに調整して生菌数の消長を観察したところ、10^<4〜5>CFU/Lであった港内海水の生菌数が、電解処理後は10^<0〜1>CFU/Lまで低下した。次いで、漁獲物を保管する保冷タンクおよび漁船の船倉に電解海水を注入し、海水の生菌数、pHを測定すると共に、残留塩素量の経時的変化を観察した。魚保管用1tタンクおよび船倉に注入した電解海水の殺菌率は99.9%以上を示し、タンク中の有効塩素濃度は約1mg/Lが3時間持続した。電解海水に氷を投入し断熱シートで覆った場合、タンク中の塩素が量も長く残留した。魚を投入すると有効塩素濃度は急激に低下した。船倉水の場合も、氷を投入することにより漁獲物を収容するまで上記の殺菌レベルが60分間以上持続した。さらに、漁港の岸壁にある保冷タンクおよび選別台に電解水を1分間注いだ場合、表面の生菌数は99.9%以上減少し、消毒効果が得られた。断熱シートや船のデッキ等、表面に凹凸のある構造物の殺菌には多少時間を要した。現在、漁港搭載型の小型電解装軍と塩素の自動連続測定器を作成中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 笠井久会, 大沢秀一, 小林正, 吉水 守: "飼育用水の中圧紫外線処理によるスクーチカ症の防除"魚病研究. 37・4. 199-200] (2002)
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[Publications] 吉水 守, 笠井久会: "種苗生産施設における用水および排水の殺菌"工業用水. 523. 13-26 (2002)
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[Publications] H.Kasai, M.Yoshimizu, Y.Ezura: "Disinfection for aquaculture"Fisheries Science. 68・II. 821-824 (2002)
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[Publications] H.Kasai, M.Yoshimizu: "Disinfection of water for aquaculture by electrolyzation and its application for hygiene and sanitation of fishing port"Proceedings of 2002 Joint Meeting of Korean Society of Fisheries Sciences (Gunsan). Special. 15-25 (2002)
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[Publications] 吉水 守: "標津町にけるサケ加工へのHACCP導入"農林統計調査. 52・3. 17-22 (2003)
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[Publications] 吉水 守, 笠井久会: "水産物の安全性確保について-漁獲から加工・流通・消費まで-"全国漁港漁場整備技術研究会. 2002. 1-6 (2002)