2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13556031
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
村本 光二 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (90157800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神谷 久男 北里大学, 水産学部, 教授 (80011964)
永沼 孝子 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助手 (50250733)
小川 智久 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助教授 (80240901)
酒井 康夫 宮城化学工業(株)BS研究所, 所長(研究職)
神保 充 北里大学, 水産学部, 講師 (10291650)
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Keywords | レクチン / カルシウム / バイオミネラリゼーション / 結晶化 / ナノ技術 / フジツボ / 水産生物 |
Research Abstract |
本研究ではバイオミネラリゼーションを,結晶化が行われる場としてのマトリックス分子,結晶となる無機分子,そして結晶化の制御に関わる有機分子の3要素に分けて,これらの要素の相互関係を吟味することによりナノレベルでの結晶化制御の技術を開発することを目指した。アカフジツボのマルチプルレクチンBRA1〜3とマトリックス間相互作用を表面プラスモン共鳴測定装置で解析し,カルシウム及びナトリウム塩濃度と,糖タンパク質のシアル酸が各レクチンの結合定数に大きな影響を与えることを明らかにした。とくに,殻にも存在が確認されたBRA2と,その多量体であるBRA1の糖結合活性は,これらの濃度変化により大きく影響された。さらにBRA1はシアル酸除去によりマトリックスへの結合親和性を失った。すなわち,これらの要因によってレクチンが関わるバイオミネラリゼーションが制御されていると考えられる。 またキチンオリゴ糖鎖やその脱アセチル化物を飽和カルシウム塩に加えたときの不均一核の生成と成長阻害を検討し,グルコサミン残基のアミノ基がレクチンとの相互作用に重要であることを示した。生成した結晶の特性を調べ,3要素の相関を考察した。糖タンパク質であるBRA2の糖鎖部分の構造を解析するとともに,分解酵素耐性・レクチン活性,カルシウム塩結晶化における機能性を検討し,糖鎖部分がレクチンの安定性とカルシウム塩結晶化に重要な役割を担っていることを明らかにした。 さらに真珠層を形成する貝殻のカルシウム塩結晶構造の特性を原子間力顕微鏡及びレーザー顕微鏡で調査し,アラレ石結晶構造の生物間個体差,殻成長点における多様性,光の反射率と結晶構造の相関を考察した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Y.Yoshimi: "Microstructure and orientation distribution of aragonite crystals in nacreous layer of pearl shells"Maters.Transactions. (印刷中).
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[Publications] 山根隆: "微小重力環境利用のための動物レクチン(コンジェリン)の結晶化条件の精密化および結晶の評価"日本クログラビティー応用学会誌. 21(1). 52-62 (2004)
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[Publications] M.Jimbo: "Characterization of L-amino acid oxidase and antimicrobial activity of aplysianin a, a sea hare-derived anitumor-antimicrobial protein"Fish. 69. 1240-1246 (2003)
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[Publications] K.Saito: "Antioxidative properties of tripeptide libraries prepared by the combinatorial chemistry"J.Ag.Food Chem. 51. 3668-3674 (2003)