2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13556033
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
左子 芳彦 京都大学, 農学研究科, 助教授 (60153970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小谷 祐一 瀬戸内海区水産研究所, 赤潮環境部, 室長
内田 有恆 京都大学, 農学研究科, 教授 (50027190)
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Keywords | 麻痺性貝毒 / 渦鞭毛藻 / アレキサンドリウム / 分子系統分類 / rRNA遺伝子 / 二枚貝の毒化 / 有毒 / 分子分類 |
Research Abstract |
本研究は、二枚貝の養殖業や食品衛生上深刻な問題となっている有毒微細藻、とりわけ麻痺性貝毒の原因藻であり形態分類の極めて困難な渦鞭毛藻Alexandriumの分子同定と、その遺伝子診断法の開発を目的としている。 本年度の研究実績は以下の通りである。 (1)昨年系統解析を行った有毒渦鞭毛藻Alexandrium tamarennse, A.catenella, A.tamiyavanichii, A.ostenfeldii の4種の形態酷似種を用いて、種の系統関係を正確に反映する統一された分類基準を構築するために、全DNAによるDNA-DNAハイブリダイゼーション法を行った。その結果同種とされた株間のDNA相同性は85%以上と高く異種間ではおよそ70%以下であった。従って種を分ける基準となりうる相同性の値は、約80%と考えられた。 (2)近年播磨灘で毒化原因藻として問題となっているA.tamiyavanichiiに特異的な蛍光標識したDNAプローブを作成して、蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)法を確立した。また形態酷似種の無毒種であるA.affine, A.fraterculusについてもFISH法を確立し有毒種と無毒種の分子識別法を確立した。 (3)雌雄異株接合を示すA.tamarense接合時やシスト(接合子)発芽時に特異的に発現される遺伝子を検索するために、高接合率を示す培養や接合条件を検討し確立した。次に各ステージからRNAの抽出法とディファレンシャルディスプレイ法を詳細に検討した。その結果接合時に発現量が増大する遺伝子を見出し、現在その遺伝子機能を解析しているところである。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Toshida et al.: "Purification and characterization of sulfotransferase specific to O-22 of 11-hydroxy saxitoxin from the toxic dinoflagellate Gymnodinium catenatum (dinophyceae)"Fisheries Science. 68・3. 634-642 (2002)
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[Publications] S.Tanabe et al.: "Simple and rapid detection of the toxic marine dinoflagellates Alexandrium tamarense and A.catonella with fluorescence in situ hybridization (FISH) using rRNA-targeted probes"Fisheries Science. 68 Supl I. 515-518 (2002)
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[Publications] 田辺(細井)祥子, 左子芳彦: "日本藻類学会創立50周年記念出版 21世紀初頭の藻学の現況"日本藻類学会. 153 (2002)