2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13556041
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
青木 正敏 東京農工大学, 農学部, 教授 (60081569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 朋靖 宇都宮大学, 農学部, 教授 (00159740)
長野 敏英 東京農業大学, 国際食糧情報学部, 教授 (10012006)
窪田 順平 東京農工大学, 農学部, 助教授 (90195503)
和田 通英 (財)日本気象協会, 網走支店, 支店長(研究職)
秀島 好昭 (独)北海道開発土木研究所, 室長(研究職)
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Keywords | 渦集積法 / サンプリングシステム開発 / 高速サンプリングコントローラーユニット / 高速吸引ユニット / 空気集積・排気ユニット / フラックス観測 / 上昇流 / 下降流 |
Research Abstract |
仮定が全くない渦集積法は理論的に優れたガスフラックス測定法として知られている。しかし、鉛直風速に比例した空気流量を10Hzという高速でサンプルガスを吸引する技術的困難さのために、その観測システムは開発されていない。そこで、本研究では、炭酸ガス(CO_2)フラックスの観測を目的とした渦集積法サンプリングシステム開発を目的とした。 渦集積法においては、上昇流および下降流の鉛直風速(w↑、w↓)に比例した空気流量を別々にサンプリングし、それぞれの炭酸ガス濃度の平均値(c↑、c↓)を測定すると、次式によってフラックス(Fc)が求められる:Fc=(w↓・c↓)-(w↑・c↑)。 本研究で開発した渦集積法サンプリングシステムは高速サンプリングコントローラユニット、高速吸引ユニット、サンプリング空気集積・排気ユニットから構成されている。上昇流および下降流の鉛直風速に比例して、10Hzで空気を別々にサンプリングすることが可能な設計である。 開発したサンプリングシステムが、10Hzで鉛直風速に比例してサンプリングしていることを室内試験によって確かめたところ、吸引の標準誤差は、平均吸引量に対して、上昇流側で約3%、下降流側で約5%であり、ほぼ満足できる値であった。牧草畑において、開発システムを用い、CO2フラックスを測定した。渦相関法で測定したCO2フラックスと(Y ; mgCO_2/dm^2/h)と渦集積法で測定したC02フラックス(X ; mgCO_2/dm^2/h)の関係は、Y=0.95・X+3.8であり、開発したサンプリングシステムによってCO2フラックスを観測できることが確認できた。しかし、渦相関法の場合と比べてCO2フラックスが約4mgCO_2/dm^2/hずつ過小評価となっており、今後その原因を明らかにし、検討と改良を重ねる必要がある。
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