2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13556051
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Research Institution | THE UNIVERSITY OF TOKYO |
Principal Investigator |
増田 健一 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (40313077)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阪口 雅弘 国立感染症研究所, 免疫部, 主任研究員 (20170590)
大野 耕一 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (90294660)
辻本 元 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (60163804)
平原 一樹 三共株式会社, 第三生物研究所, 研究員
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Keywords | イヌ / 食物アレルギー / 抗原特異的ヒスタミン放出 / リンパ球芽球化反応 / ペプチド療法 / 感受性 |
Research Abstract |
東京大学農学部附属動物医療センターにおいて食物アレルギーと診断したイヌ8頭の末梢血抗塩基球からの食物抗原特異的ヒスタミン放出を確認した。ヒスタミン放出は2.1%から70.9%を示し、6頭においてはヒトにおける食物アレルギーの診断基準の10%を上回るヒスタミン放出が認められた。さらに、症例を増やし、食物抗原特異的なリンパ球芽球化反応を測定した結果、抗原特異的な末梢血単核球が原因食物抗原の暴露時にその芽球化反応が上昇するが、除去食療法に伴ってその反応性が低下することがわかった。また、これら単核球は皮膚の炎症部位に指向性を示すCCR4を発現していることがわかった。以上のことから、これら抗原特異的ヒスタミン放出やリンパ球の増殖反応がイヌの食物アレルギーの病態に関与し、これらを利用することによって食物アレルギーの新規診断法を確立することが可能であると考えられた。一方で、食物アレルギーの根治的治療法の確立を試み、実験的にアレルギーを誘発したイヌにおいてペプチド療法やDNAワクチン治療の予備的研究を行なった。その結果、T細胞エピトープを同定した後、それらペプチドを経口投与するペプチド療法においては、血液中のIgE値やリンパ球の芽球化反応には変化はなかったが、感作抗原暴露によって生じる症状の発現を一部抑制することがわかった。また、DNAワクチン治療においても同様に抗原暴露に対する感受性の低下が認められるとともに、ショック臓器における肥満細胞の低下が認められた。以上のことから、イヌの食物アレルギーはヒトのものと類似しており、その自然発症動物も出るとして有用であること、さらに、その根治的治療法として期待されるペプチド療法やDNAワクチンによって抗原に対する過敏性の変化をもたらすことがわかった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Ishida, R., et al.: "Antigen-specific histamine release in dogs with food hypersensitivity"J.Vet.Med.Sci.. 65(In press). (2003)
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[Publications] Fujimura, M., et al.: "Oral allergy syndrome induced by tomato in a dog with Japanese cedar (Cryptomeria japonica) pollinosis"J.Vet.Med.Sci.. 64. 1069-1070 (2002)
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[Publications] Ishida, R., et al.: "Lymphocyte blastogenic responses to food allergens in dogs with food hypersensitivity"J.Vet.Int.Med.. (In press). (2003)
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[Publications] Yasunaga, S., et al.: "Antigen-specific enhancements of CD80 mRNA expression in experimentally sensitized dogs with Japanese cedar pollen"J.Vet.Med.Sci.. (In press).
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[Publications] Maeda, S., et al.: "Lesional expression of thymus and activation-regulated chemokine in canine atopic dermatitis"Vet.Immunol.Immunopathol.. 88. 79-87 (2002)
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[Publications] Maeda, S., et al.: "Expression of CC chemokine receptor 4 (CCR4) mRNA in canine atopic skin lesion"Vet.Immunol.Immunopathol.. 90. 145-154 (2002)