2001 Fiscal Year Annual Research Report
リーシュマニア原虫無鞭毛型虫体特異的蛋白を標的とした診断法およびワクチンの開発
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13557020
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松本 芳嗣 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (00173922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河津 紳一郎 厚生労働省, 国際医療センター研究所・地域保健医療研究部, 室長(研究職) (60312295)
松本 安喜 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (90251420)
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Keywords | リーシュマニア症 / 無鞭毛型原虫 / 有鞭毛型原虫 |
Research Abstract |
リーシュマニア原虫は、脊椎動物宿主においてはマクロファージ内でのみアマスティゴートとして増殖する。従ってアマスティゴートを得るためには、感染動物より回収する、あるいはマクロファージのin vitro 培養を利用することが考えられる。axenic cultureの成功例も報告されているがin vivoアマスティゴートとの性状の違いが示されている。我々はこれら全ての手技に永年の経験を有するが、最も自然に近い状態のアマスティゴートを用いることを第一選択とし、あえて感染動物(BALB/cA-RAG2 KOマウス)よりのアマスティゴートの回収を行った。その結果、潰瘍形成の起こる直前の感染4週目に病変部位を摘出、破砕し、ポリカーボネート製アイソポアメンブレンフィルターを使用することによりマウス一匹より、おおよそ3X10^8個のアマスティゴートを回収することが可能であった。本法は簡便かつ迅速なアマスティゴート調整法として利用価値が高いと考えた。精製したアマスティゴートを抗原として3種のアマスティゴート特異的マウスモノクローナル抗体(特許出願予定)およびウサギポリクローナル抗体を作製した。また培養プロマスティゴートおよび精製アマスティゴートの構成蛋白の相違をSDS-PAGEおよび二次元電気泳動により解析し、8、14、25、27、45kD等多くのアマスティゴート特異的発現蛋白を確認した。アマスティゴート特異的ウサギポリクローナル抗体を用い二次元電気泳動で展開したアマスティゴート蛋白のwestern blotting を行い、反応するスポットを切り出しアミノ酸配列の解析を行った。得られた10アミノ酸よりなる配列は近年(1998、2001)リーシュマニア原虫のゲノム解析により報告されているperoxidoxinの一部配列と一致し、peroxidoxinがアマスティゴート特異的発現分子であることが示された。peroxidoxinはantioxidasnt familyに属する分子であり、アマスティゴートのマクロフアージ内での増殖能、すなわち活性酸素よりの回避機構を考える上で興味深い。
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[Publications] Hatabu T., et al.: "The expression of biologically active canine interleukin-8 in Leishmania promastigotes : a novel eukaryotic expression vehicle for production of recombinant cytokines"Parasitology International. (in press).
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[Publications] 松本 芳嗣: "動物の感染症Infectious Diseases of Animals"(株)近代出版. 556 (2001)