2001 Fiscal Year Annual Research Report
マンソン住血吸虫における全BACクローンの染色体マップの完成
Project/Area Number |
13557021
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
平井 啓久 京都大学, 霊長類研究所, 助教授 (10128308)
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Keywords | マンソン住血吸中 / BACクローン / ゲノムプロジェクト / FISH / 染色体マップ |
Research Abstract |
BACクローンの位置をより正確に染色体上に記載するために、蛍光インシツーハイブリダイゼーション(FISH)法で得たシグナルの位置を、コンピューターソフト(IPLab, Signal analytics Corporation, USA)を用いて染色体長の相対的位置として表す方法を開発した。さらに、そのシグナル位置を記載するための染色体模式図を、染色体の相対長に合わせて新たに作製した。それに並行して各染色体のDNA量のおおまかな推測を行った。その結果は、第1染色体-56.16Mb(メガベース)、第2染色体-36.99Mb、第3染色体-36.72Mb、第4染色体-31.59Mb、第5染色体-19.44Mb、第6染色体-19.17Mb、第7染色体-15.39Mb、W染色体-54.54Mbであった。現在まで、20、OOOクローンのうち重要なクローンと思われる50個を染色体上にマップした。その中には、W染色体の短腕上および第1染色体長腕のコンティグクローンを含んでいる。また、重要な遺伝子を含むクローンも位置が明らかになった(例えば、TPX2 : chromosome 3 and W ; TPX1 : chromosome 5 and W ; TPX3 : chromosome 3 ; PO1 : chromosome 3 ; TrXR : chromosome 1 ; ASL : Z and Wchromosomes)。さらに、W染色体とZ染色体に存在する多くのクローンは、住血吸虫類の性染色体の分化を解明する緒となる情報を供給した。例えば、一つのクローン(120GO3)からは、祖先型であるZ染色体に両腕間逆位→DNAの増幅→ヘテロクロマチン化の一連の変化が生じてW染色体が形成されたことを推測させた。今のところ、マッピング個数がまだ少ないが、今後アメリカ側のBACクローンの供給体制が完備すれば、完全マッピングヘ向けた実験が遂行できる予定である。さらに、現在、マッピング情報をコンピューター上に保存する方法の整備も行っている。
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