2004 Fiscal Year Annual Research Report
マンソン住血吸虫における全BACクローンの染色体マップの完成
Project/Area Number |
13557021
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
平井 啓久 京都大学, 霊長類研究所, 助教授 (10128308)
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Keywords | マンソン住血吸虫 / ゲノムプロジェクト / BACクローン / 染色体マッピング / EST / HOX遺伝子 / 国際情報交換 / 国際共同研究 |
Research Abstract |
住血吸虫類ゲノムマッピングに有効な技術を完成させ、染色体標本作成から、染色体マップまでの詳細をParasite Genomics Protocolsのテキストとしてまとめた(Hirai and Hirai、FISH mapping for helminth genome,2004)。現在までのところ、600個のBACクローンをマッピングし、362個が正確に判定された。内訳は第1染色体に88個、第2に47個、第3に83個、第4に41個、第5に14個、第6に15個、第7に、11個、W染色体に111個、Z染色体に116個のクローンの存在部位が明らかになった。これらのデータをまとめて、国際共同プロジェクトの会議で報告した。 さらに、マンソン住血吸虫ゲノムプロジェクトの国際コンソーシアムで行ってきた現在までの進捗状況を報告した。現在までのところ、マンソン住血吸虫の色々な成長ステージから得られたESTは16,689で、これは全遺伝子の20-25%に当たると推測される(LoVerde et al.2004)。 また、フランス・パスツール研究所との共同研究で、マンソン住血吸虫の4種のHOX遺伝子(Smox1,SmLox4,SmLox6,SmLox7)を含むBACクローンをマッピングしたところ、Smox1とSmLox7は第3染色体の長腕に、SmLox4とSmLox6は第4染色体の長腕に存在することが明らかになった。すなわち、マンソン住血吸虫の形態を決める遺伝子は、第3・4の2本の染色体に分散して存在していることになり、遺伝子の進化ならびに染色体の進化において非常に興味深い結果となった。 日本住血吸虫のゲノムプロジェクトを行っている中国チームから、染色体マッピング技術の修得したい旨の問い合わせがあったので、技術員を受け入れて本研究課題で開発した我々の技術を教授した。今後共同研究を推進する予定である。
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Research Products
(2 results)