2002 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝情報を利用した産業衛生における生活習慣病予防のシステム構築
Project/Area Number |
13557029
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 洋 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40125571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤木 幸雄 松下産業衛生科学センター, 顧問
清水 哲郎 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (70117711)
松原 洋一 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00209602)
仲井 邦彦 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (00291336)
広瀬 俊雄 仙台錦町診療所, 産業医学センター, 所長
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Keywords | 産業衛生 / 生活習慣病 / 遺伝子 / 一塩基置換 / 遺伝疫学 / 介入研究 / 個人情報 / カウンセリング |
Research Abstract |
本年度は遺伝疫学を展開するために課題を整理した。遺伝子関連研究について、1)産業衛生現場における研究実施にあたってのフィールドの設定を行い、遺伝情報は本当に求められているのかも含めて、産業衛生現場における遺伝情報のニーズに関する調査アンケートを作成した。また、2)介入研究実施の際の解析対象遺伝子群の臨床的意義について検討した。 1)前年度、産業衛生現場における告知とカウンセリングシステムの具体像について検討したが、その中で課題となったのは、本当に遺伝情報が求められているのかという点であった。これまでの先行研究では、現在殆んど検証さえ行われていなかった。本研究ではこれらの問題点を明確にすることを目的としたアンケートを作成した。 2)対象遺伝子の臨床的意義を検討するために、肥満関連遺伝子の一つと考えられるβ_3アドレナリン受容体遺伝子変異と運動中における脂肪分解能について検討を行った。その結果、変異を保有している場合には変異を保有しない場合に比べ、脂肪分解能が低下することが示唆された。このことは遺伝要因が運動処方の効果に個人差をもたらす可能性が示唆された。その他の生活習慣病関連遺伝子変異についてもエネルギー消費や脂肪分解能について解析を予定する。 また、前年度決定することが出来なかった高感度かつ少量のDNAで複数遺伝子変異を同時に検索可能な方法についても検討した。本研究では前年度検討した既存の解析法に加え、新たにi-chip法、iResearch法も利用可能であると考えられた。しかしながら、いずれの方法も既存の遺伝子変異を簡便に検索可能なシステムであるのか判断する材料が乏しく、引き続き遺伝子変異検索の実施方法やその対象となる遺伝子の組み合わせについて検討する必要があると考えられた。
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Research Products
(1 results)