2001 Fiscal Year Annual Research Report
刑事及び民事鑑定におけるミトコンドリアDNA多型の応用
Project/Area Number |
13557036
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
福島 弘文 信州大学, 医学部, 教授 (70135218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅村 秀樹 信州大学, 医学部, 助手 (80324250)
高柳 カヨ子 信州大学, 医学部, 助手 (60313847)
太田 正穂 信州大学, 医学部, 講師 (50115333)
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Keywords | PCR / ミトコンドリアDNA / Dループ / シークエンス / HVI / HVII / 対立遺伝子 / 多型 |
Research Abstract |
(1)鑑定用の毛髪からのDNA抽出。 ・病院で死亡した母と推定される人の毛髪から申立人の血縁関係の証明が可能であった。毛幹部からNaI法でDNAを抽出しミトコンドリアDNAのHV1とHV2領域の塩基配列を解析し、従来報告されていない同一の塩基配列であることを証明した。 ・3種類のDNA抽出法を検討し、従来のフェノール・クロロホルム法よりも抽出効率の良い方法を明らかにした。この方法によって脱色した毛髪からのDNA抽出に成功し、ミトコンドリアDNAのHV1, HV2領域のPCR増幅が可能であった。さらに10年以上前の古い毛髪でも十分な鑑定結果が得られることを証明した。 (2)骨からのDNA抽出。 ・マルチショッカーを用いたDNA抽出の検討から、十分の硬組織破壊が出来ず、むしろ歯科用電動グラインダーの方が効率よくパウダーとなり、その後の抽出処理から十分なDNA量が得られた。骨からDNAには阻害物の混入が問題であり、この点について十分な検討を行いその除去に成功した。縄文時代の骨からはミトコンドリアのHV1, HV2領域のPCR増幅が可能であった。 (3)DループHV1とHV2の多型頻度。 ・血液、骨、毛髪、爪からDNAを抽出し、50例以上のデータベースを作成した。母子間の突然変異率の有無を検討した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Liu C et al.: "The Stucture frequency and forensic application of the STR locus D16S543 in the Japanese population"J. Forensic Sci. 46. 116-119 (2001)
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[Publications] 高柳 カヨ子 他: "毛幹部からのDNA抽出法の検討"DNA多型. 9. 282-285 (2001)
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[Publications] 浅村 英樹 他: "ミトコンドリアDNAのHV2領域-SSCP法によるヘテロプラスミーの解析-"DNA多型. 9. 272-273 (2001)