2001 Fiscal Year Annual Research Report
先天代謝異常症の中枢神経障害に対する新しい治療法の開発と臨床応用の研究
Project/Area Number |
13557070
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
難波 栄二 鳥取大学, 遺伝子実験施設, 助教授 (40237631)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 義之 国際医療福祉大学, 臨床医学研究センター, 教授 (90010389)
前川 真治 鳥取大学, 遺伝子実験施設, 助手 (70314606)
山本 俊至 鳥取大学, 遺伝子実験施設, 助手 (20252851)
|
Keywords | ケミカルシャペロン / 中枢神経障害 / 治療 / 低分子物質 / 先天代謝異常症 / G_<M1>-ガングリオドシドーシス |
Research Abstract |
本年度は、G_<M1>ガングリオシドーシス(GM1)疾患モデル細胞を作成し、治療薬の候補になる低分子物質の効果検討を行った。【方法】β-ガラクトシダーゼ欠損ノックアウトマウスの培養皮膚繊維芽細胞をSV40遺伝子で不死化し、pSV2neoと発現ベクターに組み込まれた酵素遺伝子を導入し、モデル細胞を樹立した。ヒト正常(GP8)および変異β-ガラクトシダーゼ遺伝子Y316C、G123R(幼児型GM1)、R201C(若年型GM1)、151T、T82M、,R201H、P263S、R457Q(成人型GM1)、W273L、'Y83H、R482H、R482C、N318H、W509C(モルキオB病)を用いた、0.5mM 1-デオキシガラクトノジリマイシン(DGJ)、0.5mM N-(n-ブチル)-デオキシガラクトノジリマイシン(NB-PGJ)、0.2μM GalX(新しい化合物、仮にこの名称を用いた)を含む細胞培養液でモデル細胞を4日間培養後、細胞内残存酵素活性の変化を検討した。【結果】樹立した変異細胞株のうち、4つのGM1変異導入細胞株(R201C、151T、R201H、R457Q)と2つのモルキオB病変異導入細胞株(W273L、Y83H)を用いた。酵素活性の変化はDGJ、NB-DGJ、GalXいずれも同じ傾向を示した。GM1変異遺伝子R201Cは2.4から5.4倍、I51Tは2.2から6.1倍、R201Hは2.1から,4.5倍、R457Qは2.4から6.2倍の発現酵素活性の上昇を示した。モルキオb病変異遺伝子W27は1.5から1.8倍、Y83Hは1.1から2.3倍であった。【結論】今回検討した低分子化合物はモルキオB病よりGM1の変異蛋白質により有効であった。本方法はケミカルシャペロン法の応用であり、今後さらに細胞レベルでの詳細な検討に加え、マウス個体での研究を行い、臨床応用をめざす予定である。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] Tominaga L, Ogaea Y, et al.: "Galuitonojirimyein derivatives restore mutant human β-galactokinase activities expressed in fibfoblasts form enzyme deticient kuiekout mouse"Brain Dev. 23・5. 284-287 (2001)