2002 Fiscal Year Annual Research Report
表皮細胞のautocrine及びcross-induction機構阻害物質の研究
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13557071
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
橋本 公二 愛媛大学, 医学部, 教授 (00110784)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 研志 愛媛大学, 医学部, 助手 (40294798)
白方 裕司 愛媛大学, 医学部, 助手 (50226320)
佐山 浩二 愛媛大学, 医学部, 助教授 (80187286)
吉野 公一郎 日本オルガノン株式会社, 医薬研究所, 研究開発・研究所長
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Keywords | 表皮細胞 / autocrine / HB-EGF / ADAM / MMP / 皮膚特異的ノックアウトマウス / adenovirus vector / real time PCR |
Research Abstract |
表皮特異的HB-EGFノックアウトマウスを用いた創傷治癒モデル解析 通常のノックアウトマウスは胎性致死であることが明かとなっているため、皮膚特異的ノックアウトマウスを作成した。Keratin 5 promoter下流にcre recombinase cDNAを組込んだトランスジェニックマウスと、HB-EGFの染色体の両端にLoxP配列を組み込んだfloxHB-EGFマウスを交配させることにより皮膚特異的HB-EGFノックアウトマウスが得られた。このマウスを用いて、8-9週令のマウスの背部に直径6mmの全層皮膚欠損を作製し、経時的に創の縮小を解析した。正常マウスと比較,して、表皮特異的ノックアウトマウスは7-9日目において創傷治癒の遅延が認められた。この結果は、表皮の再生において、表皮由来のHB-EGFが重要な働きをしていることが明かとなった。 表皮のautocrine及びcross-induction機構における細胞内シグナル伝達の解析 表皮由来のEGF familyはその受容体であるErbB1に結合することによりシグナル伝達を行うが、autocrine及びcross-induction機構にどのシグナル伝達が関与しているかはあきらかではなかった。そこで、ErbB1以降の細胞内シグナル伝達に関して解析を行った。EGF familyの一つであるHB-EGFで角化細胞を刺激し、経時的に蛋白を回収し、ErbB1,MAP kinaseのリン酸化をウェスタンブロットで検討した。ErbB1は刺激後5分後にはリン酸化を受けており、その程度は濃度依存性に増加した。MAP kinaseは主にERK, p38,JNKの経路が存在するが、そのすべての経路は刺激後10分後にはリン酸化を受けていた。リン酸化は30分後には定常状態にまで復帰した。そこで、それぞれのkinase inhibitorで前処理した後、HB-EGFで角化細胞を刺激し、各種EGF family mRNAの発現誘導をmulti-probe RNase protection assayにて検討した。HB-EGF添加後1時間で、すべてのEGF familyは発現が誘導されるが、この発現誘導はJNKのインヒビターで完全に抑制された。このことよりautocrine及びcross-induction機構における細胞内シグナル伝達は,おもにErbB1-JNK経路を介していると考えられた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Iwamoto R, Yamazaki S, Asakura M, Takashima S, Hasuwa H, Miyado K, Adachi S, Kitakaze M, Hashimoto K, Raab G, Klagsbrun M, Nanba D, Higashiyama S. Hori M, Mekada E: "HB-EGF and ErbB signaling is essential for heart function"Proc Natl Acad Sci. (in press). (2003)
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[Publications] Sayama K, Yamasaki K, Hanakawa Y, Shirakata Y, Tokumaru S, Ijuin T, Takenawa T, Hashimoto K: "Phosphatidyl inositol 3 kinase is a key regulator of early phase differentiation in keratinocyles"J Biol Chem. 277. 40390-40396 (2002)
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[Publications] Hanakawa Y, Amagai M, Shirakata Y, Yahata Y, Tokumaru S, Yamasaki K, Tohyama M, Sayama K, Hashimoto K: "Differentiatl effects of desmoglein 1 and desmoglein 3 on desmosome formation"J Invest Dermatol. 119. 1231-1236 (2002)
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[Publications] Hattori N, Komine M, Yano S, Kaneko T, Hanakawa Y, Hashimoto K, Tamaki K: "Interferon-gamma, a strong suppressor of cell proliferation, induces upregulation of keratin K6, one of the inflammatory-and proliferation-associated keratins"J Invest Dermatol. 119. 403-410 (2002)
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[Publications] Tsuda T, Thoyama M, Yamasaki K, Shirakata Y, Yahata Y, Tokumaru S, Sayama K, Hashimoto K: "Lack of evidence for TARC/CCL17 production by normal human keratinocytes in vitro"J Dermatol Sci. (in press). (2003)