2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13557076
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
澤田 敏 関西医科大学, 医学部, 教授 (80121937)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷川 昇 関西医科大学, 医学部, 講師 (90227215)
河 相吉 関西医科大学, 医学部, 助教授 (30152896)
播磨 洋子 関西医科大学, 医学部, 助教授 (80140276)
奥田 良和 関西医科大学, 医学部, 助手 (90252866)
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Keywords | 動脈塞栓術 / インターベンショナルラジオロジー / 塞栓物質 / 肝細胞癌 / 家兎 / 肝腫瘍モデル / Onyx / TAE |
Research Abstract |
液状の永久塞栓物質を肝動脈に緩徐に注入することによって、肝腫瘍の血洞を鋳型状に塞栓することが可能になれば、単回治療で腫瘍の完全壊死が得られると考えられ、一期的な肝動脈塞栓療法によって肝臓悪性腫瘍の治療を完了することが期待される。近年開発された化学物質であるdimethyl sulfoxide (DMSO)に溶解されたethylen vinyl alcohol copolymer (EVOH)は生体適合性が優れており、また、カテーテル・血管壁と固着しない為、血流を確認しながら緩徐に注入することが可能である。本研究では、EVOHの肝臓悪性腫瘍に対する一期的な肝動脈塞栓療法への応用の可能性を検討している。 1%、2%、4%、6%のEVOHおよびDMSOを、家兎肝腫瘍モデルの固有肝動脈より注入した(n=15)。その直後に屠殺解剖し、摘出標本を評価した。 摘出標本の軟エックス線撮影では、低濃度のEVOHは断片化し、より末梢まで到達する傾向があった。高濃度のEVOHは中枢血管から連続して鋳型状に存在していたが、最終到達血管は低濃度より中枢であった。 軟エックス線写真上でEVOHが到達した血管の固有肝動脈からの最大分岐数は、2%EVOHが16.0分岐、4%EVOHが13.6分岐、6%EVOHが10.0分岐であった。1%は測定不能であった。組織学的には腫瘍部では、1%EVOHは径15μm、2%EVOHは径20μm、4%EVOHは径35μm、6%EVOHは40μmの腫瘍血管内に存在し、非腫瘍部では1%、2%及び4%EVOHはSinusoidに、6%EVOHは径40μmの動脈に到達していた。 固有肝動脈に投与したEVOHは肝腫瘍内に到達しており、その濃度を変化させることにより塞栓血管径を調節できる可能性が確認できた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Komemushi A, Tanigawa N et al.: "A new liquid embolic material for liver tumors"Acta Radiol.. 43(2). 186-191 (2002)
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[Publications] 米虫 敦, 谷川 昇: "IVRの基本 器具・材料と基本的手技 塞栓物質"pp.19-23,IVRの技法,南江堂,東京,中村仁信、澤田敏、村上卓道、谷川昇編. 5 (2002)