2003 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白尿発症原因分子ネフリンを指標とした診断法の確立
Project/Area Number |
13557084
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Research Institution | NIIGATA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
河内 裕 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (60242400)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 総一朗 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (20301856)
成田 一衛 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (20272817)
清水 不二雄 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (40012728)
太田 陽介 (株)国家試薬, 研究開発本部, 研究部長(研究職)
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Keywords | ネフリン / 蛋白尿 / 糸球体上皮細胞 / スリット膜 / 微小変化型ネフローゼ症候群 / 膜性腎症 / IgA腎症 / ポドシン |
Research Abstract |
糸球体上皮細胞足突起間のスリット膜は係蹄壁の蛋白透過を防ぐバリアーとして機能していると考えられている。本研究課題では、ネフリンなど糸球体上皮細胞スリット膜関連分子を指標とした診断法の確立を企図して研究を行った。初年度(平成13年度)にネフリンの性状についての基礎検討、昨年度(平成14年度)は、各種病態での糸球体におけるネフリンの動態についての検討を行った。本研究課題最終年度である今年度は、スリット膜関連分子を指標とした診断法確立に向け、より具体的な検討を行った。まず、臨床材料を用い、スリット膜関連分子発現と病勢、予後との関連についての検討を行った。小児症例を用いた検討で、予後の悪いIgA腎症症例では、初期からネフリン、ZO-1などのスリット膜関連分子の発現が低下していることを観察した。また、糸球体上皮細胞のスリット膜部より頂部側の細胞膜に発現する分子であるポドカリキシンの尿中の発現量が小児IgA腎症の病勢と相関があることを確認した。この所見はNephron Clin Pract誌2003年12月号に報告した。また、内科症例の生検材料を用いた検討を行い、糖尿病性腎症、巣状糸球体硬化症症例でネフリン、ポドシンなどのスリット膜機能分子の発現が低下することを確認した。一連の検討は新潟大学関連病院における症例を用いた検討だけでなく、新潟県外の施設、並びに共同研究を行っている韓国、オーストラリア、ドイツ、オランダなどの施設での症例を用いて検討した。オランダのグループとの共同研究の結果は、J Am Soc Nephrology誌2003年8月号に報告した。その他研究結果は、現在、論文作成(投稿)中である。また、一連の研究成果は、平成15年6月にベルリンで開催された国際腎臓学会(共同研究も含め5演題)、10月にサンディエゴで開催された米国腎臓学会(共同研究も含め10演題)で報告した。一連の研究で、スリット膜機能分子を指標とした診断法の実用化、普及に寄与する重要な情報を提供し得たと確信している。
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Research Products
(12 results)
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[Publications] Kawachi H.: "Cloning of rat homologue of podocin : Expression in proteinuric states and in developing glomeruli"J Am Soc Nephrol. 14. 46-56 (2003)
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[Publications] Koop K.: "Expression of podocyte-associated molecules in acquired human kidney diseases"J Am Soc Nephrol. 14. 2063-2071 (2003)
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[Publications] Suzuki A.: "Retinoids regulate the repairing process of the podocytes in puromycin aminonuc leoside-induced nephrotic rats"J Am Soc Nephrol.. 14. 981-991 (2003)
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[Publications] Narita I.: "Genetic polymorphism of NPHS1 modifies the clinical manifestations of Ig A nephropathy"Lab Invest.. 83. 1193-1200 (2003)
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[Publications] Davis BJ.: "Disparate effects of angiotensin II antagonists and calcium channel blockers on albuminuria in experimental diabetes and hypertension : potential role of nephrin"J Am Soc Nephrol.. 14. 1904-1926 (2003)
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[Publications] Peters H.: "Moderate alcohol intake has no impact on acute and chronic progressive anti-Thy-1 glomerulonephritis"Am J Physiol Renal Physiol.. 284. 1105-1114 (2003)
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[Publications] Kanno K.: "Urinary sediment podocalyxin in children with glomerular diseases"Nephron Clin Pract.. 95. c91-c99 (2003)
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[Publications] Han GD.: "IFN-inducible protein-10 has a differential role in podocyte during Thy 1.1 glomerulonephritis"J Am Soc Nephrol.. 14. 3111-3126 (2003)
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[Publications] 河内 裕: "蛋白尿発症の分子機構"腎と透析. 54. 189-193 (2003)
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[Publications] 河内 裕: "スリット膜関連分子群の性状"腎と透析. 55. 702-706 (2003)
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[Publications] 河内 裕: "蛋白尿の発症機序"小児内科. 35. 815-819 (2003)
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[Publications] 河内 裕: "糸球体上皮細胞の機能因子-最近明らかになった蛋白尿発症責任分子について-"診断と治療. 91. 517-522 (2003)