2003 Fiscal Year Annual Research Report
血管内皮細胞保護に重点を置いた新規臓器保存液の開発
Project/Area Number |
13557101
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
陳 孟鳳 北海道大学, 大学院・医学研究科, 寄附講座教員 (40333603)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋村 剛 北海道大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (00333617)
古川 博之 北海道大学, 大学院・医学研究科, 寄附講座教員 (70292026)
藤堂 省 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60136463)
倉内 宣明 北海道大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (70322815)
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Keywords | edaravone / FENa / 尿中NAG / Cr / HTK液 |
Research Abstract |
【目的】edaravoneはfree radical scavengerである。イヌ腎臓の72時間単純冷保存・自家移植モデルを用い腎保護効果を検討した。 【方法】全身麻酔下に左腎を摘除それを4℃のHTK液中に保存。72時間後、再度全身麻酔下にその腎臓を自家移植、再灌流後右腎は切除した。治療群にはedaravoneを3mg/kg/30min経静脈投与、保存液内に混入(50μM)した。 【成績】14日間生存は対照群4/6、治療群6/6。移植後、治療群で有意な尿量の増加、FENa、24hrCcr、尿中NAG/Crの改善が認められた。血清creatinineは術後2、3、4、5日目に有意に減少した(5.69±0.38vs.4.98±0.41,p=0.012;6.95±0.75vs.6.03±0.62,p=0.043;8.11;±1.06vs.6.44±1.02,p=0.020;8.83±1.17vs.6.79±1.81mg/dl, p=0.043)。組織学的に治療群で尿細管壊死範囲の縮小が認められ、免疫染色では4-hydroxy-2-nonenal、p-selectinの発現が抑制された。さらに、治療群で組織脂質過酸化物濃度が再灌流後1時間目で有意に減少(0.22±0.05vs.0.13±0.03nmolHNEeq./mg prot.p=0.019)、尿中8-OHDHも再灌流後3、6時間目に有意に低下した(35.0±12.4vs.18.0±10.8,p=0.030;25.3±7.7vs.16.3±5.2ng/mg-Cr, p=0.049)。 【結語】Edaravoneはイヌの腎冷保存において組織障害を軽減し腎機能低下を緩和した。
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