2001 Fiscal Year Annual Research Report
脳ミトコンドリア障害のPETによるin vivo評価法とトレーサーの開発
Project/Area Number |
13557116
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
山本 清二 浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 助教授 (60144094)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚田 秀夫 浜松ホトニクス(株), 中央研究所, 主任部員
難波 宏樹 浜松医科大学, 医学部, 教授 (60198405)
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Keywords | PET / ミトコンドリア / 神経細胞 / Pyruvate / Rhodamine |
Research Abstract |
目的 ミトコンドリア機能評価のためのPETトレーサーを作成し、神経細胞や脳スライスの培養系において、それらが有用であるか否かを検討する。 具体的検討項目 1.ミトコンドリアエネルギー産生能の指標としての11C-Pyruvateの有用性・安定性 2.ミトコンドリア膜電位の指標としての11C/18F-Rhodamine123の可能性 結果および成果 ラットの培養海馬神経細胞と培養海馬スライスにて、ミトコンドリア呼吸鎖抑制剤(FCCPおよび3-ニトロプロピオン酸)を投与し、ミトコンドリア障害のモデルを確立するために実験を行った。その結果、FCCPは1-10μMで、3-ニトロプロピオン酸は5-10mMで用量依存的に細胞壊死に至る変化が起こり、この時蛍光色素(Rhodomine123)で評価した膜電位は約20分以内に傷害されていることが明らかとなった。すなわち、この系を用いることによりミトコンドリア機能障害を評価する培養系のモデルが確立された。 さらに、Rhodamine123によりミトコンドリア膜電位が測定可能であり、蛍光色素のRhodamine123に11Cまたは18Fを置換すればPETのトレーサーとして使用しうる可能性が高くなった。しかし、11Cか18Fのいずれが良いのかは現時点では未確定であり、次年度の課題とした。 一方11C-Pyruvateは、浜松ホトニクス中央研究所PETセンターで合成を試み、最終濃度が10mMとなるようにPhosphate buffer(pH3)に溶解し、安定した化合物として得られるようになった。しかし、現時点では、蛍光色素で判定したミトコンドリア機能に一致する評価が得られるかどうかを検定するまでには次年度引き続き検討を要する。 まとめ ミトコンドリア機能障害を評価する我々の培養系モデルを確立し。これによって、11C/18F-Rhodamine123は、PETトレーサーとして使用できる可能性があると考えられた。また、実験に耐えうる11C-Pyruvateを合成した。
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