2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13557118
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
堂浦 克美 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (00263012)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 充男 大正製薬, 創薬研究所, 主任研究員
岩城 徹 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (40221098)
松島 俊夫 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (40165816)
鈴木 伸之 第一製薬, 創薬第2研究所, 研究員
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Keywords | プリオン病 / 予防治療薬 / プリオン産生阻害 / スクリーニング / 持続感染培養細胞 / 動物実験 / 脳内感染 / 脳室内持続注入 |
Research Abstract |
これまでにプリオン持続感染細胞で著効を奏することを発見しているquinoline環含有化合物、Congo red誘導体、benzothiazole環含有化合物などを基本構造とする関連化合物について、cell free in-vitro conversion法とプリオン持続感染細胞を用いてプリオン(感染型プリオン蛋白)の増殖・産生を阻害する効果を検討した。その結果、quinoline環含有化合物については、新たに16種の有効化合物を発見した。さらに、それらの化合物について、脳内感染させたマウスにおいてプリオン病予防治療薬剤としての有効性を脳室内持続投与により検討したところ、臨床薬剤であるquinineや他のquinoline環含有化合物において、ある程度の発症遅延効果が確認された。一方、benzothiazole環含有化合物については、新たに66種の化合物にプリオン増殖・産生の阻害効果を発見した。これらのうち大半のものは脳移行性が良好で毒性が低いことが動物実験より明かとなった。一方、昨年度に著明な発症遅延効果を示すことを発見した泌尿器系薬剤(SPS)については、プリオン増殖・産生阻害効果を病理学的解析で実証し、感染型プリオン蛋白の脳組織への沈着がSPS投与部位で、投与後かなりの時間を経過しても著明に抑制されたままであることが明らかとなった。また、有効性を確認していた263K株プリオン以外の他の2種の病原因子株についても発症遅延効果を検討し、同様に著明な効果を得た。このことは、SPSの効果が病原因子株に依存せずプリオン病に普遍的であることを示している。 なお、上記の新規に発見した有効化合物についてはプリオン病予防治療薬として特許を出願した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Sasaki K, Doh-ura K, Ironside WJ, Iwaki T.: "Increased clusterin (apolipoprotein J) expression in human and mouse brains infected with transmissible spongiform encephalopathies"Acta Neuropathol. 103. 199-208 (2002)
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[Publications] Sasaki K, Doh-ura K, Wakisaka Y, Iwaki T.: "Clusterin/apolipoprotein J is associated with cortical Lewy bodies : immunohistochemical study in cases with alpha-synucleinopathies"Acta Neuropathol. 104. 225-230 (2002)
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[Publications] Tsuboi Y, Wszolek ZK, Kusuhara TT, Doh-ura K, Yamada T: "Japanese family with parkinsonism, depression, weight loss, and central hypoventilation"Neurology. 58. 1025-1030 (2002)
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[Publications] 堂浦 克美: "ヒトのプリオン病とその治療薬剤開発の現状"ファルマシア. 38. 635-639 (2002)
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[Publications] 堂浦 克美: "プリオン病の治療薬開発"医学のあゆみ. 203. 923-930 (2002)