2003 Fiscal Year Annual Research Report
骨転移による疼痛治療の新しい治療指針の作成、特に消炎鎮痛薬の使用法を中心に
Project/Area Number |
13557129
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
山本 達郎 千葉大学, 大学院・医学研究院, 講師 (20200818)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 理 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (90344986)
青江 知彦 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (90311612)
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Keywords | 骨転移 / 癌性疹痛 / COX-1 / COX-2 / COX-3 / 非ステロイド系消炎鎮痛薬 / モルヒネ |
Research Abstract |
C3H/HeJ系のマウス大腿骨遠位端にて骨髄腔に、NCTC 2472 tumor lineの腫瘍細胞を移植することにより骨腫瘍を作成した。薬物の効果は移植後2週間で行った。骨転移による疼痛の程度は、0.166gのvon Frey filamentにより骨破壊部位を20回刺激し、逃避反応を起こした回数を測定することにより評価した。この刺激は、正常な状態では逃避反応を起こさない刺激である。COX-1選択的阻害薬であるSC560、C0X-2選択的阻害薬であるcelecoxibを投与しても鎮痛効果が見られなかった。しかしながら、COX-3選択的阻害薬であるacetaminophen、非選択的COX阻害薬であるindomethacinを経口投与すると、投与量依存性の鎮痛効果を示した。鎮痛効果を示さない少量のモルヒネをacetaminophenと同時投与すると、acetaminophenのdose-response curveを左方に移動させることから、モルヒネとacetaminophenを臨床で併用することの有用性が確認された。次に、α-2受容体作動薬であるclonidineとdexmedetomidineを腹腔内投与したところ、両薬物とも投与量依存性に鎮痛効果を発揮し、α-2受容体作動薬の骨転移痛治療に対する有用性が示された。次に、glutamateの役割を検討した。NMDA受容体拮抗薬であるMK801、ketamineを腹腔内投与したが、鎮痛効果を示さなかった。しかしながら、mGluR3の作動作用を有するNAAGの分解を阻害する薬物(ZJ-43)を腹腔内投与したところ、鎮痛効果を示した。このことから、glutamateもまた骨転移痛に関与していることが示唆された。
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