2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13557145
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
佐野 洋一郎 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (90295668)
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Keywords | 角膜移植 / 粘膜 / 自家移植 / 幹細胞 / 羊膜 / 培養上皮 |
Research Abstract |
重症の難治性眼表面疾患に対してはこれまで、羊膜移植や培養角膜上皮移植などさまざまな外科的治療法が開発されそれなりの成功をおさめてきた。しかしながら難治性眼表面疾患の多くは両眼性であり、これらの治療法の多くは他人(アロ)からの組織の移植に頼らざるをえず、術後の拒絶反応等の問題が術後成績に大きく影響を与えているのが現状である。今回我々は、自己(オート)の粘膜上皮を用いた移植法の開発を念頭に、羊膜上での培養口腔粘膜上皮シートの作成を検討した。白色家兎8匹の口腔粘膜組織から上皮細胞を各々採取し、保存羊膜を基質としてCell suspension法により3週間培養した。これらの過程においては、3T3線維芽細胞との共培養、上皮の分化誘導を施すair-lifting法を併用した。作成した培養口腔粘膜上皮シートを電子顕微鏡にて形態学的検討を行った。 羊膜上で培養した口腔粘膜上皮シートは、4-5層によく分化、重層化した上皮の形態を示し、正常の角膜上皮細胞と類似した組織像を示していた。その最表層には無数の微絨毛が存在し、細胞間には多数のデスモゾームによる細胞接着が認められた。また、基底細胞と羊膜間にはヘミデスモゾームによる接着構造が認められた。今回我々が作成した羊膜上培養口腔粘膜上皮シートは、角膜上皮に類似の分化、重層化した非角化粘膜上皮の性質を持つシートであることが示され、口腔粘膜を用いた培養粘膜上皮シートは、角膜上皮の代用となる新しい上皮組織となる可能性が示唆された。
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