歯周病原細菌の口腔環境からの生体鉄の獲得を阻害する薬物の開発研究

2002 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 13557149
• Research Institution: Nagasaki University
• Principal Investigator: 中山 浩次 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80150473)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 寺口 進 森永乳業株式会社栄養化学研究所, 基礎研究室, 室長 ; 下川 修 九州大学, 大学院・歯学研究院, 講師 (40136502) ; 大原 直也 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (70223930)
• Keywords: 口腔嫌気性細菌 / ポルフィロモナス・ジンジバリス / ポルフィリン / ラクトフェリン / 鉄獲得

Research Abstract

1)非鉄金属含有プロトポルフィリンIXの効果:ガリウムポルフィリンIXとインジウムポルフィリンIXにはP.gingivalisに対してその増殖を抑制する作用があることがわかった。とくにインジウムポルフィリンIXは低濃度でも強い増殖阻害活性があった。一方、マンガンポルフイリンIXはまったく増殖抑制作用を示さないばかりか、ヘム制限下で培養した菌に対しては増殖を促進することがわかった。
2)ヘムの菌体内への取り込みにはhmuR遺伝子が関与していることが報告されている。ガリウムポルフィリンIXやインジウムポルフィリンIXの増殖抑制作用がヘムと同様な系で菌体内に取り込まれたのち、作用を発揮するかどうかを検討するため、hmuR遺伝子領域をATCC33277染色体DNAからクローン化した。塩基配列を決定したところ、報告されているもの(W83株)と塩基配列レベルで7カ所、アミノ酸配列レベルで2カ所異なっていた。このhmuR遺伝子DNA内にエリスロマイシン耐性遺伝子カセットDNAを挿入し、P.gingivalis菌体に導入し、hmuR変異株を作製した。現在、この株のガリウムポルフィリンIXやインジウムポルフィリンIX抵抗性を検討している。

Research Products

• [Publications] Houle et al.: "The collagenolytic activity of Porphyromonas gingivalis is..."FEMS Microbiology Letters. (in press).
• [Publications] Kawaguchi et al.: "Adhesins encoded by the gingipain genes of Porphyromonas..."Microbiology. (in press).
• [Publications] Ueshima et al.: "Purification, gene cloning, gene expression and mutants..."Infection and Immunity. 71・3. 1170-1178 (2003)