Tomosynthesisに基づいた歯顎顔面のX線断層画像表示システムの開発

2002 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 13557159
• Research Institution: Showa University
• Principal Investigator: 岡野 友宏 昭和大学, 歯学部, 教授 (20124688)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 関 健次 昭和大学, 歯学部, 講師 (00245820) ; 原田 康雄 昭和大学, 歯学部, 助教授 (30119250) ; 荒木 和之 昭和大学, 歯学部, 助教授 (50184271) ; 木村 幸紀 昭和大学, 歯学部, 講師 (20225072) ; 佐野 司 昭和大学, 歯学部, 講師 (40241038)
• Keywords: 三次元画像 / X線画像 / tomosynthesis / 断層

Research Abstract

人体における組織および病変を三次元的に捉え表示することは、病変の診断ならびに治療に非常に有効である。このうちtomosynthesisといわれる原理を応用したtuned aperture computed tomography (TACT)はコンピュータを利用し任意の断面の画像を作成するシステムである。本研究室ではすでに本システムの臨床利用の可能性を確認してきている(Araki K, CARS'99)。そこで、本研究ではこれまでのOrtho TACTの研究をふまえ、あらたに広範囲を撮影できるシステムを開発し、腫瘍や炎症など広範囲にわたる疾患の診断、顎関節疾患、顎骨インプラントの術前術後評価へ応用することを目的とする。このうち本年度は、次の点について検討を行った。
1.昨年度検討していたX線受光部についてさらに検討を行った。昨年度検討したFCRシステムに加え、DigoraPCTシステムも十分な解像度とダイナミックレンジを持つこと、TACT画像を合成するコンピュータ部分との親和性が良いこと、比較的廉価であること、操作性がよいなどの利点があり、本システムに適するという結果が出た。
2.撮影時に必要とされる専用の患者固定装置は簡易型を作製しその精度や安定度について現在検討している。
3.診断能の検討では、ヒト乾燥下顎骨の埋伏第三大臼歯の診断について試作したシステムで検討を行った。その結果下顎管と第三大臼歯との関係が従来の単純X線診断より正確にわかり、本システムの有効性が示された。
4.被曝線量については本システムのような診断領域の低エネルギーX線に対応する線量計を検討した。実際の被曝線量の測定は次年度の課題である。