2001 Fiscal Year Annual Research Report
新たに開発した自然免疫スクリーニング系を用いた新しい作用点を有する医薬品の開発
Project/Area Number |
13557200
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
倉田 祥一朗 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (90221944)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保寺 登 中外製薬株式会社, 製品企画部・企画推進担当部, 部長(研究職)
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Keywords | 自然免疫 / 生体防御 / 昆虫 |
Research Abstract |
本研究の目的は、申請者が新たに開発したスクリーニング系を用いて、自然免疫に作用する化合物を検索し、新たな免疫賦活剤や免疫抑制剤を開発することにある。自然免疫は、生物が進化のごく初期に獲得した、生体防御の基本となる防御機構である。さらに、哺乳動物において、病原菌の感染時に獲得免疫が成立するためには、自然免疫系が必要であることが示された。したがって、自然免疫系に作用する物質を検索することは、新たな免疫賦活剤や免疫抑制剤の開発に直結する可能性が高い。研究代表者は、自然免疫系がヒトと昆虫で共通であることに着目し、遺伝子組換え昆虫を用いて自然免疫のスクリーニング系を新たに開発した。本年度は、研究分担者・久保寺が、スクリーニングする化合物のライブラリーを作製した。その際、これまでの研究成果をふまえ、自然免疫を制御する脂質メディエーターに構造が類似している化合物のライブラリーを作製した。研究代表者・倉田は自然免疫スクリーニング系を用いて、自然免疫に作用する化合物を、このライブラリーから検索し、自然免疫を抑制する化合物を得た。一方、昆虫と昆虫寄生菌との関係に着目し、昆虫寄生菌が宿主の自然免疫を抑制する物質を生産しているかどうか、自然免疫スクリーニング系で探索した。その結果、多くの昆虫寄生菌が、自然免疫を抑制する物質を産生していることを見出した。
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[Publications] Punzo, C., Kurata, S.and Gehring, W.J.: "The eyeless homeodomain is dispensable for eye development in Drosophila"Genes & Dev.. 15. 1716-1723 (2001)
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[Publications] Onuma, Y., Takahashi, S., Asashima, M., Kurata, S., Gehring, W. J.: "Conservation of Pax6 functoin and upstream activation by Notch signaling in eye development of frogs and flies (vertebrates and invertebrates)."Proc.Natl.Acad.Sci.USA.. 99. 2020-2025 (2002)