2001 Fiscal Year Annual Research Report
低分子性FGFアゴニストの開発と脂肪,軟骨組織修復(再生医学)への応用
Project/Area Number |
13557202
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 信行 京都大学, 薬学研究科, 教授 (10110610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 正文 塩野義製薬, 創薬第二研究所, 主席研究員
太田 光熙 神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (00330423)
小西 守周 京都大学, 薬学研究科, 助手 (00322165)
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Keywords | FGF / 脂肪組織 / 骨 / 組組修復 / 再生 / アゴニスト / 遺伝子 |
Research Abstract |
可溶性のFGF受容体を作成するために、FGF受容体の細胞外ドメインのC末にTagを付けた組換えタンパク質をbaculovirus発現系で作成した。可溶性のFGF受容体は細胞培養液に効率よく分泌された。その細胞培養液からaffinity chromatographyにより可溶性のFGF受容体精製した。精製FGF受容体は電気泳動的に単一バンドを示した。精製FGF受容体のFGFに対する結合性をBIAcoreで調べた。FGF-2と強い結合性を示し、精製FGF受容体は低分子リガンド探索に有用なプローブになるものと期待された。 マウス胚性線維芽細胞を分化誘導剤添加下で初代培養し脂肪細胞に分化させたところ、FGF-10は分化初期にその発現が一過性に亢進し、その後分化が進むにつれて減少した。同様の培養系でホモ変異型14.5日胚から得た胚性線維芽細胞を脂肪細胞に分化誘導したところ、野生型に比べ脂肪滴の蓄積、脂肪分化マーカーの発現ともに減少しており、脂肪組織の形成不全が代謝系など他の異常の二次的なものでないことが確認された。一方、骨形成過程において初期から後期まで一貫してFGF-18 mRNAが長管骨の軟骨膜に発現していることを明らかにした。さらに、長管骨でのFGF-18とFGFR-2c,-3c mRNAとの発現領域を比較した。その結果、長管骨形成初期にはFGFR-2cは未分化軟骨細胞や未分化骨芽細胞に、FGFR-3cは軟骨細胞に発現が見られ、また長管骨形成中期から後期にかけてはFGFR-2cは軟骨膜と骨幹部の骨芽細胞に、FGFR-3cは増殖軟骨細胞層から前肥大化軟骨細胞層に発現が見られることが明らかとなった。
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[Publications] Clark, J.C.: "FGF-10 disrupts lung morphogenesis and caused pulmonary adenomas in vivo"Am.J.Physiol.. 280. L705-L715 (2001)
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[Publications] 伊藤信行: "多機能シグナル分子としてのFGF"生化学. 73. 525-535 (2001)
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[Publications] Shimoaka, T.: "Regulation of osteoblast,chondrocyte,and osteoclast functions by FGF-18 in comparison with FGF-2 and FGF-10"J.Biol.Chem.. (印刷中). (2002)