2002 Fiscal Year Annual Research Report
低分子性FGFアゴニストの開発と脂肪,軟骨組織修復(再生医学)への応用
Project/Area Number |
13557202
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 信行 京都大学, 薬学研究科, 教授 (10110610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 正文 塩野義製薬, 創薬第二研究所, 主任研究員
太田 光熈 神戸薬科大学, 教授 (00330423)
小西 守周 京都大学, 薬学研究科, 助手 (00322165)
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Keywords | FGF / 脂肪組織 / 骨 / 組織修復 / 再生 / アゴニスト / 遺伝子 |
Research Abstract |
Fgf18のin vivoにおける機能を解析するために、ジーンターゲティング法によりFgf18^<-/->を作製した。Fgf18^<-/->は出産直前に死亡した。その表現型について解析したところ、頭蓋骨や長管骨形成不全といった骨・軟骨形成における異常が認められた。Fgf18^<-/->の骨形成における表現型を解析するため、頭蓋骨形成におけるFgf18、Fgfrの発現パターンをISHにより解析した。その結果、Fgf18は頭蓋骨形成の初期より、骨前駆体細胞が存在する頭部間充織で発現し、後に成熟骨芽細胞でも発現は維持されていた。同様の時期、Fgfr2が、Fgf18とともに骨前駆体細胞において発現していた。Fgf18では、骨前駆体細胞の細胞増殖性が特異的に低下し、さらに骨芽細胞の分化も遅延していた。次に軟骨形成におけるFgf18^<-/->の表現型を解析するため、長管骨形成におけるFgf18、Fgrrの発現をISHにより解析した。Fgf18は軟骨膜や関節といった軟骨周囲の組織において、一方、Fgfr3は軟骨に発現していた。Fgf18^<-/->では、軟骨細胞の増殖・分化がともに亢進していた。Fgf18はFfr2、Fgfr3と結合することが明らかにされたFgfである。Fgf18^<-/->の骨・軟骨形成における解析結果から、骨形成においてFgf18シグナリングはFgfr2を介して、骨前駆体細胞の増殖を亢進させ、その後、骨芽細胞の分化を促進させているものと考えられた。一方軟骨形成において、Fgf18^<-/->とFgfr3^<-/->は同様の表現型を示し、Fgf18は軟骨周囲から軟骨に対しFgfr3を介して、その増殖・分化を負に調節しているものと考えられた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] N.Ohbayashi et al.: "Fgf18 is required for osteogenesis and chondrogenesis in mice"Genes Dev.. 16. 870-879 (2002)
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[Publications] H.Sakaue et al.: "Requirement of fibroblast growth factor-10 in development of adipose tissue"Genes Dev.. 16. 908-912 (2002)