2001 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者に要求される新規咳反射作用薬の開発に向けた鎮咳薬の作用機序の完全解明
Project/Area Number |
13557223
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
高濱 和夫 熊本大学, 薬学部, 教授 (80150548)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 武 久光製薬(株), 中央研究所, 室長
高宗 和史 熊本大学, 薬学部, 助教授 (20206882)
白崎 哲哉 熊本大学, 薬学部, 助教授 (30264047)
福島 秀尚 久光製薬(株), 中央研究所, 研究員
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Keywords | 鎮咳薬 / 内向き整流性K+チャネル / 5-HT_<1A>受容体 / δ受容体アンタゴニスト / ブラジキニン / 脳単一神経 / 傍気管神経節ニューロン / パッチクランプ法 |
Research Abstract |
我々は、これまでに非麻薬性鎮咳薬が5-HT_<1A>受容体活性化による電流を抑制し、それは内向き整流性K^+チャネル(GIRK)の抑制によることを明らかにしていた。鎮咳薬の構造は多岐にわたるにも関わらず、これまでに検討したすべての非麻薬性鎮咳薬がGIRK活性化電流を抑制することは、鎮咳作用の発現にGIRKの抑制が関与している可能性が十分考えられる。そこで、本年度は、最近鎮咳作用をもつことが注目されているδアンタゴニストがGIRK活性電流を抑制するのか否かについてラット縫線核から急性単離したニューロンを用いてパッチクランプ法で検討した。【実験成績】(1)δアンタゴニストのナルトリンドールおよびナルトリベンはともに5-HT 10^<-7>Mで惹起した内向き整流性K^+電流(I_<K(Gir)>を濃度依存的に可逆的に抑制した。前者のIC_<50>およびHill係数はそれぞれ、1.5x10^<-4>Mおよび1.6であった。後者のそれは、9.2x10^<-6>および1.0であった。ナルトリンドール10^<-4>Mは、5-HT誘発I_<K(Gir)>の濃度-反応曲線の最大反応を抑制した。この抑制作用は電位非依存性で、5-HT誘発I_<K(Gir)>の逆転電位はδアンタゴニストにより影響を受けなかった。GTP-γSの細胞内環流した標本において、5-HTで持続的に活性化されたI_<K(Gir)>に対して、スピペロンは影響しなかったが、δアンタゴニストはこの電流を抑制した。δアゴニストのDPDPEは5-HT誘発のI_<K(Gir)>に対して影響を与えなかった。以上の成績は鎮咳活性をもつδアンタゴニストもGIRKを抑制することがわかった。上記とは別に、難治性咳刺激物質ブラジキニン(BK)の傍気管神経節ニューロンに対する作用をパッチクランプ法で検討した。その結果、BKはMチャネル抑制により、このニューロンを興奮させることを明らかにした。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.Motidome, H.Ishibashi, K.Takahama: "Bradykinin activates airway parasympathetic ganglion neurons by inhibiting M-currents"Neuroscience. 105・No.3. 785-791 (2001)
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[Publications] T.Shirasaki, K.Abe, K.Kuwano, F.Soeda, H.Ishibashi, K.Takahama: "Are GIRK channels one of the main targets for non-narcotic antitussives ?"Jpn. J. Pharmcol.. 88・Suppl.. 59 (2002)