2001 Fiscal Year Annual Research Report
酸化LDL測定の動脈硬化性疾患への臨床応用に関する研究
Project/Area Number |
13557225
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
前川 真人 浜松医科大学, 医学部, 教授 (20190291)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 明 第一化学薬品(株), 診断薬研究所, 主任
堀井 俊伸 浜松医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (80283430)
菅野 剛史 浜松医科大学, 医学部, 副学長 (70051406)
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Keywords | 酸化LDL / 動脈硬化 / 小粒子LDL / マロンジアルデヒド / 糖尿病 |
Research Abstract |
健常人42名(コントロール群)、糖尿病(DM)患者49名(DM群)及びDMを伴わない高TG血症42名(高TG群)から得た血清試料を用いて、酸化LDLの臨床的意義を検討した。酸化LDL、すなわちマロンジアルデヒド修飾LDL(MDA-LDL)の測定のほか、既存の動脈硬化症の危険因子との関係を明らかにする目的で、各群の血中総コレステロール(TC)、中性脂肪(TG)、HDL-C、LDL-C、アポリポタンパクA-IとB(アポA-IとB)とLDLサイズを測定した。各疾患群は、コントロール群と性及び年齢をマッチさせて抽出した。 今回の検討では、特に近年新たな心疾患の危険因子として注目されている小粒子LDL(LDLサイズが25.5nm未満のものをいう)との関連性が深いMDA-LDL、TG及びHDL-Cを取り上げ、四者の関係を詳細に検討した。 その結果、特にTG、LDLサイズ及びMDA-LDLの三者の間に強い関連性が認められた。このとき、LDLサイズは、コントロール群に比し、高TG群で有意に小粒子化していた。一方、DM群でも小粒子化の傾向は認められたもののコントロール群と有意差はなかった。血中TG及びMDA-LDL値は、いずれもコントロール群に比し、両患者群で有意に高値を示した。 血中MDA-LDL値からTG濃度とLDLサイズとの関係を評価したとき、LDLサイズが25.5nm未満で、TG濃度が150mg/dlより高くなると、正常者(LDLサイズ25.5nm以上、TG濃度150mg/dl以下)に比し、MDA-LDL値が有意に高くなっていることが明らかになった。このことは、LDLサイズが25.5nm未満で、TG濃度が150mg/dlより高くなることが、両因子の臨床的な異常値を示すだけでなく、LDLの酸化抵抗性の限界を超えたことをも示していると考えられた。
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Research Products
(1 results)